不動産会社の繁忙期と閑散期とは? それぞれの時期に物件探しを行うメリット・デメリットも解説

不動産会社の繁忙期と閑散期とは? それぞれの時期に物件探しを行うメリット・デメリットも解説

不動産賃貸業には繁忙期と閑散期があります。そのため、時期によって物件数や物件価格が異なります。特に社宅を提供している企業は、時期を考慮せずに物件を探すことによって「費用が高くなる」「希望する物件が見つからなかった」などの課題に直面する可能性があります。

また、従業員に貸与する社宅を探すうえで、「不動産の繁忙期と閑散期を知って、適切な価格で物件を借りたい」」、「不動産会社の状況や、社宅を導入している競合他社の動きを知ることで円滑な業務運用に役立てたい」と考える担当者の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、賃貸市場における不動産(住宅・土地)のうち、賃貸住宅に関する繁忙期と閑散期、それぞれの時期に物件を探すメリット・デメリットについて解説します。


また、こちらの記事では、オンライン内見をするメリット・デメリットと注意点を解説しています。併せてご覧ください。

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目次[非表示]

  1. 1.不動産の繁忙期と閑散期
    1. 1.1.繁忙期(2~3月・9~10月)
    2. 1.2.閑散期(5~8月)
    3. 1.3.月別の動向
  2. 2.繁忙期・閑散期に物件を探すメリット・デメリット
    1. 2.1.繁忙期
    2. 2.2.閑散期
  3. 3.まとめ


不動産の繁忙期と閑散期

賃貸市場における不動産は1年間を通して取引が行われていますが、取引件数が変動する繁忙期と閑散期が存在します。

一般的に、繁忙期は2~3月と9~10月、閑散期は5~8月といわれています。


繁忙期(2~3月・9~10月)

不動産の繁忙期は、就職・転勤・進学で、新生活に向けた動きが活発になります。

この時期は、入退去者が多いことから、物件情報が変動しやすく、不動産会社も混雑しやすいといえます。

そのため、市場に流通する物件数は増えますが、ライバルとなるほかの入居希望者も多く、内見や選定にかけられる時間は多くありません。


閑散期(5~8月)

閑散期は、不動産会社が落ち着いているため、物件選びについて相談しやすい時期といえます。

繁忙期と比較すると物件数は限られますが、転居者の母数が少なく需給バランスが働くため、引越し費用を抑えやすいです。また、繁忙期と比べて競争率が低く、自社のペースで物件選定を行いやすいといえます。


月別の動向

賃貸市場においては、月によっても不動産の動向が変化します。ここからは、月別の動向を紹介します。


1月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 進学や就職に合わせて物件を探す人が動き出す時期
  • 2~3月の退去に向けた解約が増え始め、空き予定となる物件が出てくるが、前入居者がいて内見できない場合が多くある


▼社宅導入企業の動向

新卒者や転勤者など、社宅対象者が多くいる場合、物件探しと引越しの準備を開始する企業が目立ち始める


2月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 大学の合否や早期の異動辞令が出る時期
  • 入退去が盛んになり、内見ができる物件も増え始めるため、不動産会社が混雑している可能性が高くなる


▼社宅導入企業の動向

  • 2月中旬から下旬を契約始期とする案件が増える
  • 4月に配属される社員・内定者に必要な社宅を早期確保する動きが活発化する


3月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 4月の新生活に向けて引越しをする人が最も増えて、不動産会社が混雑する時期
  • 物件数は多いものの、内見した物件がほかの入居希望者に先に契約されてしまうこともある
  • 好条件の物件はすぐに契約者が決まる傾向にある


▼社宅導入企業の動向

4月配属という期限があることを考慮して、確実に物件を確保できるように複数の希望物件を早急に選定して、契約手続きを行うケースが増加する


4月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 3月と比較して入退去の動きが少なくなり、不動産会社が落ち着き始める時期
  • 多くの優良物件は埋まっている状態だが、3月退去の物件が出回っていることもある


▼社宅導入企業の動向

3月中に物件が決まらなかった社員向けの社宅を確保するほか、研修用に短期契約の社宅を手配する動きがある


5月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 1~3月の繁忙期で退去した優良物件の大半が埋まり、一人暮らし用をはじめ、市場に流通する物件数が少なくなる時期
  • 大型連休を挟み、不動産会社が休日を取ることも多いため、手続きに遅れが出る可能性がある


▼社宅導入企業の動向

  • 入社手続きや研修対応が終了して、採用活動が落ち着くため、社宅手配は少なくなる
  • あえてこの時期に転勤者や新卒向けの社宅を手配する企業も一定数ある


6月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 閑散期に入り、入退去の動きが少ないため、1年間のなかで比較的家賃相場が低くなる傾向にある時期
  • 空室期間が長い物件では、家賃や初期費用などの値段交渉に応じてもらえる可能性もある


▼社宅導入企業の動向

定期異動の動きはほとんど見られないが、新店舗展開や欠員補充など、本業を中心とした動きに合わせた社宅の手配は変わらず発生する


7月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 引越しをする人の減少に伴い、引越しの料金が安くなる傾向にある時期
  • 競争する相手も少なくなるため、不動産会社でじっくりと物件を選ぶことができる


▼社宅導入企業の動向

6月と同様の傾向にあるが、引越し費用を抑えられるため、自己都合による転居をはじめ、厚生社宅の入居者の動きも多少目立つといえる


8月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 猛暑や台風が多い季節であるため、引越しをする人はあまり増加しないが、お盆明けからは徐々に物件探しの動きが増え始める時期
  • お盆に休む不動産会社が多いため、手続きに遅れがでる可能性がある


▼社宅導入企業の動向

6~7月と同様の傾向にあるが、一部の企業では、夏季休暇の前後を利用して社宅を早期確保する動きが出始める


9月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 転勤シーズンが到来して、不動産会社が忙しくなり始める時期
  • 1~3月の繁忙期と比較すると、入退去する単身者の母数は少ないため、ファミリー向け物件の流通量増加がやや目立つ


▼社宅導入企業の動向

  • 秋の定期異動による社宅手配が発生する
  • 転勤辞令の内示から配属までの期間が短い、業務の引き継ぎ対応が終わらないなど、企業や入居者の都合により、9月中に社宅に入居しないケースも多くある


10月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 転勤シーズンになるため、不動産会社が混み合う可能性が高い時期
  • 内見できる空室物件は増えるが、物件の競争率・家賃相場は比較的高い傾向にある


▼社宅導入企業の動向

  • 3月同様に、複数の希望物件を早急に選定して契約手続きを行うケースが増加する
  • 家族帯同社宅の場合は内見が週末に集中するため、企業は不動産会社や社宅管理代行会社と事前に相談のうえ、計画的に社宅手配を遂行する


11月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 転勤シーズンが終わり、不動産会社が落ち着き始める時期
  • 物件の競争率は低下するが、一人暮らし用をはじめ、市場に流通する物件はあまり多くない


▼社宅導入企業の動向

  • 定期異動による社宅の手配は少なくなる
  • 新店舗展開や欠員補充など、本業を中心とした動きに合わせた社宅の手配は変わらず発生する


12月
▼賃貸市場における不動産の動向

  • 市場に流通する物件数はさほど増えず、不動産会社も比較的落ち着いている時期
  • 中旬までは不動産会社と連絡が取りやすいが、年末年始に向けて休業する不動産会社が多いため、手続きに遅れが出る可能性がある


▼社宅導入企業の動向

春の定期異動や、新卒採用向けの社宅手配・引越しを滞りなく進めるため、不動産会社や社宅管理代行会社と事前に相談を開始する企業が出始める



繁忙期・閑散期に物件を探すメリット・デメリット

社宅の物件は、繁忙期に探す場合と閑散期に物件を探す場合でそれぞれメリット・デメリットがあります。

それぞれの特徴を把握したうえで、計画的に物件探しを進めることが望ましいです。


繁忙期

2~3月と9~10月の繁忙期に物件探しを行う場合、次のようなメリット・デメリットがあります。


▼メリット

  • 物件情報が多く、優良物件を見つけられる可能性が高い
  • 繁忙期に合わせて賃貸物件が建てられるケースがあり、新築物件の情報も多い


▼デメリット

  • 競争率が高く、優良物件はすぐに埋まりやすいため、ゆっくり選ぶことができない
  • 入居者が増える時期である一方、退去前物件も多いため、内見ができない物件も多く存在する


なお、注意点として、繁忙期の不動産会社は忙しく、混雑していることが多いことが挙げられます。そのため、内見や店舗での直接対応を希望する場合は、事前に予約をすることが望ましいです。

また、時間をかけて物件を探すことが難しいため、あらかじめ妥協できない条件を決めておくことで、スムーズに希望の物件を見つけやすいといえます。

以下のリスクを考慮して最終候補の物件を複数選定しておくことで、物件をイチから探しなおすことなく契約しやすくなります。


  • ほかの入居希望者で物件が決定してしまう他決リスク
  • 社宅規程に適合しない契約条件が含まれる規定外物件リスク


閑散期

5~8月の閑散期に物件探しを行うメリット・デメリットは、以下のとおりです。


▼メリット

  • 長期間空室が続いている物件は、家賃の値段交渉によって費用を抑えて入居できる可能性がある
  • 不動産会社が落ち着いている時期であるため、時間をかけて物件探しを行いやすい


▼デメリット

  • 繁忙期と比べて条件に合う物件を見つけるのが難しい
  • 繁忙期と比べて空室や新築物件などの選択肢が限られている



まとめ

この記事では、不動産の繁忙期について以下の内容を解説しました。


  • 不動産の繁忙期と閑散期
  • 繁忙期・閑散期に物件を探すメリット・デメリット


賃貸市場における不動産には繁忙期と閑散期があり、それぞれの時期に物件を探すメリットとデメリットがあります。

新築や優良物件を確保したい場合は繁忙期、時間をかけて選びたい場合は閑散期に探すのが望ましいといえます。また、転勤シーズンに合わせて社宅を導入する場合は、早めの準備と対策が重要です。


そして、こちらの記事では、社宅契約時の賃貸借契約書で気をつけるポイントを解説しています。併せてご覧ください。

  社宅契約時の賃貸借契約書で気をつける4つのポイント 賃貸借契約書は、物件の貸し借りを締結させるために取り交わす契約書で、物件の基本情報・付属品・契約期間・賃金・更新料・解約通知の期日などの内容が記載されています。 貸主と借主が直接やり取りするのではなく、不動産会社を仲介して契約するのが一般的です。 法人契約で社宅を借りる際も賃貸借契約書を取り交わすため、「どのような点に気をつけたらよいか分からない」という担当者の方もいるのではないでしょうか。 この記事では、社宅契約時の賃貸借契約書で気をつけるポイントを解説します。 リロの社宅管理│業務削減効果90%以上のアウトソーシングサービス



なお、社宅の導入にあたって発生するさまざまな業務を自社のみで対応することが難しい場合には、社宅管理サービスの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

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