不動産会社の繁忙期と閑散期とは? それぞれの時期に物件探しを行うメリット・デメリットも解説

不動産会社の繁忙期と閑散期とは? それぞれの時期に物件を探すメリット・デメリットを解説

※2024年7月4日更新

不動産賃貸業には、繁忙期と閑散期があります。そのため、時期によって物件数や物件価格が異なります。借上社宅を提供している企業では、時期を考慮せずに物件を探すと費用が高くなったり、希望する物件が見つからなかったりする可能性があります。

人事総務部門のご担当者さまのなかには、「不動産会社の繁忙期と閑散期を知って、適切な価格で物件を借りたい」「不動産会社の繁忙期でも、費用を抑えて物件を押さえたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、不動産会社における繁忙期と閑散期の概要やそれぞれの時期に物件を探すメリット・デメリット、繁忙期に物件の費用を抑える方法について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.不動産の繁忙期と閑散期
  2. 2.繁忙期に物件を探すメリット・デメリット
  3. 3.閑散期に物件を探すメリット・デメリット
  4. 4.不動産の繁忙期に物件の費用を抑える方法
    1. 4.1.敷金・礼金がかからない物件を探す
    2. 4.2.仲介手数料が安い不動産会社を利用する
    3. 4.3.フリーレント物件を活用する
  5. 5.まとめ


不動産の繁忙期と閑散期

賃貸市場における不動産は1年間を通して取引が行われていますが、繁忙期と閑散期が存在します。

繁忙期と閑散期では、不動産会社の混雑具合だけでなく、流通する物件数やほかの入居希望者との競争率に違いが生じます。

一般的に、繁忙期は2〜3月と9〜10月、閑散期は5〜8月といわれています。


▼不動産における繁忙期と閑散期の時期

2~3月

大学の合否や企業における早期の異動辞令などによる繁忙期

5~8月

春に出た優良物件が埋まり、市場に流通する物件数が少なくなる閑散期

9~10月

企業の転勤シーズンと重なる繁忙期


また、総務省統計局の『サービス産業動向調査』によると、繁忙期と閑散期では、不動産会社の売上に以下のような差があることが分かります。


▼繁忙期と閑散期における不動産会社の売上

不動産取引業(百万円)

不動産賃貸業・管理業(百万円)

1~3月期

1,556,099

1,957,218

4~6月期

1,109,915

1,911,956

7~9月期

1,183,550

1,928,974

10~12月期

1,260,190

1,972,768

総務省統計局『「サービス産業動向調査」2024年(令和6年)4月分(速報)』を基に作成


繁忙期には不動契約取引が多く発生していると推測できます。


出典:総務省統計局『「サービス産業動向調査」2024年(令和6年)4月分(速報)



繁忙期に物件を探すメリット・デメリット

不動産の繁忙期には、就職・転勤・進学により新生活に向けた動きが活発になります。入退去者が多いことから市場に物件が流通しやすいものの、入居希望者も多くなり競争が激しくなります。


▼繁忙期に物件を探すメリット・デメリット

メリット

  • 物件情報が多く、優良物件を見つけられる可能性がある
  • 繁忙期に合わせて新築物件が建てられることがある

デメリット

  • 競争が激しく、物件をゆっくりと選ぶことができない
  • 退去前物件も多いため、内見ができない物件も多く存在する



閑散期に物件を探すメリット・デメリット

閑散期は不動産会社が落ち着いており、物件選びの相談がしやすい時期です。繁忙期と比較すると物件数は限られるものの、転居者の母数が少なく需給バランスが働くため、交渉によって費用を抑えられる場合があります。

また、繁忙期と比べて競争率が低く、自社のペースで物件選定を行いやすくなります。


▼閑散期に物件を探すメリット・デメリット

メリット

  • 空室が続いている物件であれば、家賃を交渉できる場合がある
  • 不動産会社が落ち着いており、時間をかけて物件探しを行いやすい

デメリット

  • 繁忙期と比べて、条件に合う物件を見つけるのが難しい
  • 繁忙期と比べて、空室や新築物件などの選択肢が限られる



不動産の繁忙期に物件の費用を抑える方法

企業においては人事異動の時期をずらすことが難しいことから、繁忙期に物件を探す必要があります。不動産の繁忙期に物件の費用を抑えるには、以下の方法が考えられます。


敷金・礼金がかからない物件を探す

敷金・礼金がかからない物件を選ぶことで、賃貸物件を借りる際の初期費用を抑えることができます。

敷金・礼金が求められる物件では、家賃の1~2ヶ月分の支払いが必要になるケースもあるため、物件を探す際に確認しておくことが必要です。


仲介手数料が安い不動産会社を利用する

仲介手数料が安い不動産会社を利用して物件を契約できれば、その分だけ費用を抑えることができます。

同じ物件であっても、契約する不動産会社によって仲介手数料は異なることがあります。複数の不動産会社の契約条件を比較することがポイントです。


フリーレント物件を活用する

フリーレント物件を活用することで、物件の家賃を抑えられます。フリーレント物件とは、入居後の数ヶ月間における家賃が無料となる物件です。

ただし、フリーレント物件には最低契約期間が定められていることがあります。急な転勤によって短期での退去が必要になると違約金を請求される場合もあるため、自社の人事状況と照らし合わせて判断することが重要です。



まとめ

この記事では、不動産の繁忙期・閑散期と物件探しについて以下の内容を解説しました。


  • 不動産の繁忙期と閑散期
  • 繁忙期に物件を探すメリット・デメリット
  • 閑散期に物件を探すメリット・デメリット
  • 不動産の繁忙期に物件の費用を抑える方法


賃貸市場における不動産には繁忙期と閑散期があり、それぞれの時期に物件を探すメリットとデメリットがあります。新築や優良物件を確保したい場合は繁忙期、時間をかけて選びたい場合は閑散期に探すのが望ましいといえます。また、転勤シーズンに合わせて社宅を導入する場合は、早めの準備と対策が必要です。

繁忙期でも物件の費用を抑えたい場合には、敷金・礼金がかからない物件を探すほか、仲介手数料が安い不動産会社を利用したり、フリーレント物件を活用したりする方法が考えられます。また、社宅の導入にかかるさまざまな業務を自社のみで対応することが難しい場合には、社宅管理サービスを利用する方法もあります。

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