
社宅管理のExcel運用は限界? 社宅担当者を悩ませる問題と業務効率化を実現する方法
社宅制度の運用では、入居者や物件、契約内容などに関する情報を管理表にまとめて一元管理することが必要です。
社宅の管理表はExcel(※)で作成・運用することもできますが、社宅戸数が増えるほど管理が煩雑化しやすくなり、さまざまな問題を招くことがあります。
人事総務部門のご担当者さまのなかには「Excelを使ってどのように社宅管理を行うのか」「Excel運用から脱却して効率化する方法はないか」と調べている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Excelを利用した社宅管理の方法や問題、Excel運用から脱却して業務を効率化する方法について解説します。
なお、社宅管理業務の課題についてはこちらの資料をご確認ください。
※Microsoft Excel は、マイクロソフトグループの企業の商標です。
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Excelを利用した社宅管理の方法
Excelを利用して社宅管理を行う際は、社宅に関するさまざまな情報を一元化した表形式の管理表を作成します。
1枚のシートで管理表を作成する場合には、表の縦軸に社員番号、横軸に社宅情報を並べて記載する形式が基本となります。
▼社宅管理表のイメージ(例)
Excelで管理表を作成する際は、情報の検索性を高めるために入力するデータの規則や表記を定めて統一することがポイントです。
管理表に記載する項目は、以下のとおりです。
▼社宅の管理表に記載する項目
項目 |
記載する情報 |
入居者情報 |
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物件(駐車場)情報 |
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契約情報 |
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支払情報 |
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賃料支払口座情報 |
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管理会社情報 |
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貸主情報 |
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その他 |
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入居者一人ひとりの物件情報や契約情報、支払情報などを管理表に集約することにより、各種手続きや契約更新時などに必要な情報を確認できます。
なお、社宅管理業務の課題についてはこちらの資料をご確認ください。
社宅担当者を悩ませる、Excelを使用した社宅管理の問題
社宅の管理表はExcelによって作成できますが、記載する情報が多岐にわたることから管理戸数が増えるほど運用が煩雑化しやすくなります。
本社・支店間や部署間での情報共有が難しい
Excelは、データをファイルベースで管理することから、本社・支店間や部署間での円滑な情報共有が難しいという問題があります。情報共有が難しくなる理由として、以下が挙げられます。
▼Excel運用で情報共有が難しくなる理由
- ファイルが複数存在して最新バージョンが分からなくなる
- 複数人による同時編集によってデータ更新のタイムラグが起こる
- ファイル間でデータの同期ができず、最新情報の確認や更新が大変 など
拠点や部署ごとに社宅管理の情報が散在してしまうと、データの突合に時間を要したり、情報の整合性を維持できなくなったりすることが考えられます。
ヒューマンエラーが発生しやすい
社宅管理をExcelで行っていると、目視チェックによる処理漏れや転記作業による入力ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすくなります。
▼Excel運用で起こるヒューマンエラーの例
- 支払調書を作成する際に、Excelデータとの突合作業で確認ミスが起きた
- 給与管理システムへの転記ミスにより、社宅使用料の徴収額に誤りが生じた
- 解約予告期間を誤って確認してしまい、貸主への通知が遅れた など
ファイルの情報更新やデータの転記などで人の手が介在することにより、各種手続きや処理を間違えてしまうリスクが高まると考えられます。
支払調書の作成時に集計・転記作業の負担が大きい
社宅制度の運用において負担が大きい業務の一つが、支払調書の作成です。
Excelの管理表から物件ごとの支払データを集計して指定フォーマットへ入力する必要があるため、作業に時間・労力がかかります。
拠点ごとに異なるファイルで社宅の管理表を運用している場合には、支払調書の作成にかかる業務負担がさらに大きくなることが考えられます。
なお、支払調書の作成についてはこちらの記事をご確認ください。
業務が属人化している
Excelで社宅管理を行っていると、ファイルのバージョン管理方法や進捗状況などをほかの担当者が把握していない状態となり、業務が属人化しやすくなります。
特定の担当者に運用管理を任せている場合には、長期休暇や異動・退職時に引き継ぎのトラブルが起こる可能性があります。
また、関数やマクロなどが組み込まれている場合には、管理表を作成した技術者が退職した際にメンテナンスを行えなくなり、運用が困難になることもあります。
Excel運用から脱却!社宅管理の業務を効率化する方法
Excelを用いた社宅管理では、情報更新や転記作業に労力がかかるほか、ヒューマンエラーも生じやすくなります。社宅担当者の業務を効率化するには、システム化やアウトソーシングの活用が有効です。
➀社宅管理システムを導入する
社宅管理システムは、社宅管理に関わるさまざまな情報や業務フローを一元管理できるシステムです。製品によって使用方法は異なりますが、社宅担当者の業務効率を向上させるさまざまな機能が備わっています。
▼社宅管理システムの基本機能
- 社宅情報(社宅台帳)の管理
- 入居者や契約に関する情報の検索
- 物件の契約書や各種ファイルのアップロード
- 契約/解約の進捗状況確認と管理 など
社宅管理の業務を一つのプラットフォームに集約できるため、データの入力や更新作業を効率化するとともに、入力・転記ミスも防げます。
また、クラウド型のシステムを選定すると、入力・更新したデータがリアルタイムに反映され、拠点や部門間での情報共有もスムーズになります。関数やマクロも設定する必要がないことから、Excel運用による業務の属人化を解消できます。
社宅管理業務を効率化するワークフローシステムについては、こちらの資料で紹介しています。併せてご確認ください。
②アウトソーシングを活用する
煩雑な社宅管理業務を効率化するには、社宅代行会社にアウトソーシングを依頼することも一つの方法です。
社宅担当者が行ってきた定型業務を外部に委託することにより、従業員満足度の向上に向けたコア業務にリソースを充てられるようになります。
ただし、社宅代行会社によって委託形態や管理戸数の規模、対応可能な業務の範囲などが異なるため、自社の課題・ニーズに合わせて選択することがポイントです。
なお、社宅管理業務を委託できる社宅代行会社はこちらの記事で紹介しています。
リロケーション・ジャパンの社宅代行アウトソーシングに関する導入事例は、こちらの資料をご確認ください。
まとめ
この記事では、Excelによる社宅管理について以下の内容を解説しました。
- Excelを利用した社宅管理の方法
- Excelを使用した社宅管理の問題
- Excel運用から脱却して業務を効率化する方法
社宅の戸数が少ない場合には、Excelで管理表を作成・運用している企業も見られます。しかし、管理する情報は多岐にわたるため、戸数が増えるほど情報更新やデータの転記、支払調書の作成などが煩雑化しやすくなります。
社宅管理の業務を効率化してヒューマンエラーを防ぐには、システム化やアウトソーシングの活用によってExcel運用から脱却することが重要です。
『リロケーション・ジャパン』では、包括転貸方式による借上社宅のフルアウトソーシングや社有社宅の運用代行を実施しています。入居者管理や契約管理、支払管理などのさまざまな業務に対応しており、運用負担の軽減に貢献します。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。