
共益費と管理費に違いはある? 社宅における取り扱いとは
※2025年1月21日更新
賃貸物件を契約する際、家賃とは別に“共益費”や“管理費”という費用の支払いが必要になるケースがあります。
共益費と管理費は、毎月の家賃とともに継続的に支払いが発生するため、借上社宅として契約する際に確認しておく費用項目の一つです。
社宅担当者のなかには「共益費と管理費は何が違うのか」「どのような用途で利用されるのか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、賃貸物件の共益費と管理費について、違いや用途、相場、家賃との関係、注意点、借上社宅における取り扱いを解説します。
目次[非表示]
- 1.共益費と管理費の違い
- 2.共益費と管理費の使用用途
- 3.共益費と管理費の相場
- 4.共益費と管理費が家賃に含まれる・含まれない場合のメリット
- 4.1.家賃に含まれる場合
- 4.2.家賃に含まれない場合
- 5.共益費と管理費に関する注意点
- 6.借上社宅における共益費と管理費の取り扱い
- 6.1.社宅使用料の考え方
- 6.2.会社と従業員の負担区分
- 6.3.共益費と管理費の勘定科目
- 7.まとめ
共益費と管理費の違い
賃貸物件における共益費と管理費には、地域的な商慣習や家主・管理会社により定義が異なる場合があるものの、同じ意味合いで使われることが一般的です。
共益費と管理費は、賃貸物件を快適かつ安全な生活環境に保つための維持管理にかかる費用を指します。賃貸物件では、共益費と管理費の取り扱いに2つのパターンがあります。
▼共益費と管理費の取り扱い
- 家賃と別に共益費・管理費が設定されている物件
- 共益費・管理費がなく、家賃のみ設定されている物件
共益費・管理費が設定されている賃貸物件では、毎月の家賃に加えて共益費または管理費を入居者が支払う義務が発生します。一方、毎月の家賃のみが設定されている賃貸物件では、基本的に家賃のなかに共益費・管理費が組み込まれる仕組みとなっています。
なお、敷金・礼金の仕組みや社宅における負担区分については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
共益費と管理費の使用用途
共益費や管理費は、基本的に同じ意味合いで使われていますが、管理費のほうが用途の範囲が広く捉えられることが一般的です。それぞれの用途は、以下のようになります。
▼共益費や管理費の用途
費用項目 |
用途 |
共益費 |
|
管理費 |
|
賃貸物件の共有部分には、エントランスや廊下、エレベーター、ゴミ置き場、郵便ポストなどの施設・設備が該当します。
また、専有部分とは入居者が住む部屋をはじめ、そのなかにある収納やキッチン、トイレ、お風呂などの設備のことです。
共益費は、主に物件の共用部分の維持管理にかかる費用を指すのに対して、管理費は共用部分のほか、専有部分の維持管理や管理人の人件費なども含まれます。
共益費と管理費の相場
共益費・管理費の金額は賃貸物件によって異なりますが、一般的に家賃の5〜10%が相場とされています。例えば、家賃80,000円の賃貸物件の場合、4,000〜8,000円の共益費・管理費が設定されることになります。
エレベーター・オートロック・防犯カメラなどの設備が充実している物件や新築の物件は、設備がよくなる分、共益費・管理費が高く設定されることが予想されます。
また、国税庁のホームページによると、共益費・管理費に消費税はかかりません。
▼共益費の消費税について
(2) 共益費……住宅を共同で利用する上で居住者が共通に使用すると認められる部分の費用を居住者に応分に負担させる性格のものについては、共益費、管理費等その名称にかかわらず非課税となります。
引用元:国税庁『集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定』
詳しくは、国税庁が回答している『集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定』をご確認ください。
出典:国税庁『集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定』
共益費と管理費が家賃に含まれる・含まれない場合のメリット
共益費と管理費は、物件によっては0円となっているケースも見られます。この場合は一般的に、共益費・管理費が家賃に含まれていると考えられます。
共益費・管理費が家賃に含まれる・含まれない場合ではそれぞれ異なるメリットがあります。
家賃に含まれる場合
共益費・管理費が家賃に含まれる物件では、別で共益費・管理費を考える必要がないため、月々の費用を計算しやすい点がメリットです。
しかし、共益費・管理費が別の賃貸物件よりも家賃が高くなるため、家賃を基準に設定される敷金・礼金の負担額も増える可能性があります。
家賃に含まれない場合
共益費と管理費が家賃に含まれない場合は、含まれる物件と比較して敷金・礼金などの初期費用が安く抑えられる可能性があります。
▼家賃が80,000円、共益費・管理費が8,000円の賃貸物件(敷金・礼金・仲介手数料は家賃1ヶ月分の発生とした場合)
項目 |
家賃に含まれる |
家賃に含まれない |
家賃 |
88,000円 |
88,000円 |
敷金 |
88,000円 |
80,000円 |
礼金 |
88,000円 |
80,000円 |
仲介手数料 (税込) |
96,800円 |
88,000円 |
合計 |
360,800円 |
336,000円 |
上記のように、家賃に含まれる場合は敷金・礼金にも共益費・管理費の費用が反映されます。また、仲介手数料には消費税が追加されるため、さらに費用の差が大きくなります。
総額で見ると、家賃80,000円で共益費・管理費が8,000円の物件は、24,800円もお得に入居できることが分かります。
ただし、実際の賃貸借契約上では、家賃に含まれる共益費・管理費の具体的な金額が明記されることはないため、家賃に含まれない場合と一概には比較しづらいという点で留意が必要です。
共益費と管理費に関する注意点
共益費と管理費に関しては、以下の点に注意します。
▼共益費と管理費に関する注意点
- 共用部のスペースが広く設備が充実するほど高く設定されやすい
- 共益費と管理費がない場合、管理が十分でない可能性もある
一般的に、大型マンションやシェアハウスなど、共用部のスペースが広く充実した物件は共益費と管理費が高く設定されやすいとされます。
共益費と管理費がない物件においては、家賃に該当費用が含まれているケースのほかに、単に共用部の管理を十分に行っていない可能性も考えられます。入居時の満足度や安全性に影響するため、内見の際に管理状況をしっかりと確認しておく必要があります。
借上社宅における共益費と管理費の取り扱い
物件を借上社宅として運用する場合、共益費と管理費の取り扱いについて把握しておく必要があります。
社宅使用料の考え方
国税庁は、社宅使用料を設定する際、共益費と管理費は家賃に含めたうえで使用料を算出して問題がないとしています。
共益費・管理費は支払わなければ賃貸物件に居住できない点から、家賃に準ずるものとして扱われます。そのため、社宅使用料を設定するうえでは共益費・管理費を家賃に合算した総額を賃貸料の額として扱うこととなります。
出典:国税庁『役員に貸与したマンションの管理費』
会社と従業員の負担区分
借上社宅における共益費・管理費を会社と従業員のどちらが負担するかについては、任意で設定できます。
ただし、借上社宅の賃貸借契約では会社が借り主となるため、賃貸借契約上の支払い義務は会社となります。
会社と従業員の負担区分については、社宅規程や内規などで明文化しておくことで、認識の相違やトラブルの発生を防ぎやすくなります。
なお、社宅規程に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
共益費と管理費の勘定科目
借上社宅における共益費と管理費の勘定科目は以下のとおりです。
▼共益費と管理費の勘定科目
状況 |
勘定科目 |
企業から大家に支払う場合 |
地代家賃 |
従業員から徴収する場合 |
受取家賃もしくは雑収入 |
共益費と管理費は家賃の一部として扱うため、非課税取引となります。また、従業員から徴収する際の税区分は非課税売上となります。
出典:国税庁『No.6225 地代、家賃や権利金、敷金など』『第13節 住宅の貸付け関係』
まとめ
この記事では、共益費と管理費について以下の内容を解説しました。
- 共益費と管理費の違い
- 共益費と管理費の使用用途
- 共益費と管理費の相場
- 家賃に含まれる・含まれない場合のメリット
共益費と管理費に関する注意点
借上社宅における共益費と管理費の取り扱い
賃貸物件の共益費・管理費は、建物や設備の維持管理のための費用となり、明確な違い・用途が定められているわけではありません。物件によって共益費・管理費の有無や金額が異なるため、契約時には家賃だけでなく毎月の支払い総額を確認することが大切です。
借上社宅の賃料について、従業員の負担額を設定する際は、毎月の賃料だけでなく、共益費・管理費の支払いも明確に定めておくことが重要です。
『リロケーション・ジャパン』の社宅管理サービスでは、借上社宅の物件探しや賃貸借契約、家賃の支払いなどの社宅管理業務をトータルサポートしています。
サービスの詳細や料金についてご不明な点・ご質問は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
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