社宅契約時の賃貸借契約書で気をつける4つのポイント
アパートやマンションなどの賃貸物件を借りる際は、貸主との間で“賃貸借契約書”を取り交わして契約が成立します。
賃貸借契約書は、物件の貸し借りを締結させるために取り交わす契約書で、物件の基本情報・付属品・契約期間・賃金・更新料・解約通知の期日などの内容が記載されています。
貸主と借主が直接やり取りするのではなく、不動産会社を仲介して契約するのが一般的です。
法人契約で社宅を借りる際も賃貸借契約書を取り交わすため、「どのような点に気をつけたらよいか分からない」という担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、社宅契約時の賃貸借契約書で気をつけるポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.社宅契約時の賃貸借契約書で気をつけるポイント
- 1.1.①自社の社宅規程との合致
- 1.2.②短期解約による違約金の取決め
- 1.3.③解約通知の期日・方法
- 1.4.④更新料の取決め
- 2.まとめ
社宅契約時の賃貸借契約書で気をつけるポイント
借上社宅は法人契約で物件を借りるため、未然にトラブルを防止するためにも、契約締結前に賃貸借契約書のチェックが必要です。
ここでは、社宅契約時に気をつけるポイントを4つ解説します。
①自社の社宅規程との合致
賃貸借契約書の内容が、社宅規程の物件情報や内容を満たしているか確認することが大切です。
社宅規程は、円滑な社宅運用を実現を目的として、予測されるトラブルや解決策を記載します。
▼社宅規程の記載項目例
- 入居資格
- 手続き方法
- 使用料
- 禁止事項
自社の社宅規程に沿っている物件を契約しなければ、入居する従業員と認識の齟齬が発生してトラブルに発展する可能性があります。
社内規程と異なる物件(規定外物件)で手続きを進めた場合、入居直前に物件を探し直す可能性も考えられます。
また、物件紹介の段階では賃貸借契約書が確認できず、契約締結の直前に規定外物件に該当するケースもあります。
物件探しの段階では入居希望物件を1つに限定せず、規定外物件にあたるリスクに備えて、複数の候補を用意しておくことが有効な対策です。
②短期解約による違約金の取決め
賃貸借契約では違約金が設定されているケースが多く、トラブルの発生を未然に防ぐためにも確認しておきたいポイントです。
貸主が定めた期間内に解約すると、短期解約により違約金が課せられる場合があります。
一般的に違約金の相場は、およそ1ヶ月分の賃金で設定されていますが、違約金に関する取決めは賃貸借契約書に記載されているため、事前に確認しておくことが望ましいです。
しかし、借上社宅の法人契約では、貸主や不動産会社との交渉により、違約金の設定を外してもらえる可能性もあります。また、地域慣習や季節事情などにより、全国各地で違約金の有無が異なります。
短期解約の違約金については以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
③解約通知の期日・方法
従業員が円滑に退去できるようにするためには、解約通知の期日・方法についても事前の確認が大切です。
解約通知の方法としては、署名・捺印した通知書の送付が必要なケースや、口頭で解約申込ができるケース、インターネットのみで受け付けているケースなど、さまざまな方法があります。
不動産会社へ契約書が到達した時点で受理されるパターンもあるため、解約方法を把握していなければ、希望日に解約できずに継続して賃金が発生します。
▼解約通知書を提出する流れ
- 貸主へ解約の意思表示をする
- 解約通知書を作成・提出
- 入居者が退去の立ち会いをする
④更新料の取決め
社宅契約時の賃貸借契約書では、賃貸物件を更新する際の書類・費用・通知方法を確認することも大切なポイントです。
- 更新時の費用
- 更新料の支払期日
- 更新方法(自動・合意)
- 地域慣習の反映
更新料の費用・期日・契約形態はもちろん、地域慣習が反映されているかも確認することが望ましいです。
リロケーション・ジャパンの実績データによれば、更新料の発生割合は東京都が78.2%であるのに対して、北海道では僅か3.9%という結果になりました。
法律では更新料の設定に関する規定はありませんが、賃貸借契約において、更新料や更新事務手数料が設定されている場合は支払いが必要です。どのような条件になっているかは、契約前に賃貸借契約書で確認しておくと安心です。
なお、社宅の更新料の負担区分については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
まとめ
この記事では、社宅契約における賃貸借契約書の注意ポイントについて解説しました。
法人契約で社宅を借りる場合、賃貸借契約書が社宅規程に沿っているか、違約金・解約通知の方法・更新料が妥当かなど、注意深くチェックすることが大切です。
従業員が安心して暮らせる社宅を提供するため、社宅管理業務を行う担当者は賃貸借契約書の確認には細心の注意を払わなければなりません。
しかし、賃貸物件の契約は専門的な知識が必要な業務が多く、社宅管理業務には多くのリソースが必要です。
『リロケーション・ジャパン』の社宅管理サービスでは、弊社と包括転貸借契約を締結していただくことで、家主ごとの賃貸借契約が不要になります。
社宅管理の工数削減にお悩みのご担当者さまは、お気軽にご相談ください。