社宅の更新料は会社負担? 更新の種類や更新料の地域差について解説
通常の賃貸物件には契約期間が設定されており、契約期間終了後もその物件に住みたい場合は、入居者が更新料を支払います。
賃貸物件の更新料とは、通常の家賃とは別に大家さんに支払う手数料のことです。法律で支払い義務はありませんが、賃貸借契約書に更新料についての記載がある場合は、支払いが必要です。
しかし、社宅の更新料は「会社と従業員のどちらが支払うのか」と悩んでいる担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、社宅の更新料は会社と従業員のどちらが負担するのか、更新の種類や更新料の地域差について解説します。
「社宅の導入を検討している」「更新料の負担について知りたい」と考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.社宅の更新料はどちらが負担する?
- 1.1.会社が負担する場合
- 1.2.従業員が負担する場合
- 2.社宅更新の種類
- 3.更新料は地域差が大きい
- 4.まとめ
社宅の更新料はどちらが負担する?
社宅の更新料は、会社都合・自己都合によって、どちらが負担するのか決まります。
▼会社都合・従業員都合の例
会社都合 |
転居を伴う異動(転勤) |
従業員都合 |
転勤以外の事由による社宅制度の利用 |
会社が負担する場合
社宅の更新料が会社側負担になるケースが多い理由は、賃貸借契約上の契約主(借主)が企業だからというのはもちろん、社宅制度が福利厚生の一環である側面も挙げられます。
企業が福利厚生を導入する目的は、従業員と家族の生活を支え、安定・向上させることです。
そのため、従業員との取り決めがない場合は、会社側が負担するのが一般的で、本人の責任に関する負担は、事前に範囲や金額を明示しておくとトラブルを避けられます。
従業員が負担する場合
会社都合の場合でも、更新料の支払いを従業員負担にすることは可能です。
ただし、その際はトラブルを避けるために、社宅規程でどちらが負担するのか明確にしておく必要があります。
また、従業員負担にする場合でも、会社が立替支払いする運用が一般的です。
社宅更新の種類
賃貸借契約の更新には、“自動更新”と“合意更新”の2種類があります。
ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説します。
①自動更新
自動更新とは、入居者から事前の申し入れがない限り、自動的に更新される契約のことです。
契約書に「期間満了の〇ヶ月前までに更新しない旨の通知をしない限りは更新される」といった内容が記載されており、事前申告の期間が決まっていることが一般的です。
期間を超えて申告をした場合は、退去をするにもかかわらず、更新料の支払いが発生するケースもあります。
基本的には、これまでの契約内容と同条件で更新されますが、当初の契約条件にどのように記載されているかで更新内容は変わります。
しかし、賃金や共益費などの変更といった、契約条件に定められていない内容については、通知・連絡が入る場合もあります。
社宅管理担当者にとっては、自動更新のほうが煩雑な事務作業が発生しないため、業務負荷が少ないといえます。
②合意更新
合意更新とは、更新後の契約条件を貸主と借主の双方合意により自由に決められる契約のことです。
従業員に更新の意思がある場合、社宅管理担当者は更新手続きを進めます。
その際、更新契約書をはじめとした書面を取り交わした場合、契約時に締結した賃貸借契約書と併せて厳重な保管が必要です。
更新料は地域差が大きい
更新料の支払いを当たり前だと感じている方は少なくありません。しかし、更新料は法律で義務づけられている費用ではないため、地域ごとで発生の有無や金額が異なります。
重要なのは、全国でどれくらいの差があるかを把握しておくことです。リロケーション・ジャパンの管理実績データによれば、更新料が発生する平均的な割合傾向は以下のとおりです。
▼更新料発生の平均的な割合
地域 |
発生割合 |
更新料割合 |
北海道 |
3.9% |
0.49ヶ月 |
東京都 |
78.2% |
1.01ヶ月 |
愛知県 |
31.5% |
0.72ヶ月 |
大阪府 |
20.9% |
0.54ヶ月 |
広島県 |
19.9% |
0.47ヶ月 |
香川県 |
31.8% |
0.38ヶ月 |
福岡県 |
14.6% |
0.52ヶ月 |
リロケーション・ジャパン2021年度管理実績データを基に作成
東京都が群を抜いて更新料の発生割合が高い傾向にあります。北海道では僅か3.9%の発生割合のため、その差は歴然です。
東京と北海道以外の都市では、15~30%程度で更新料が発生しており、首都圏では更新料の発生が特に多いことが分かる結果となりました。
なお、こちらの記事では、社宅で利用する賃貸物件にかかる更新費用の相場や支払い義務の有無、注意点について解説しています。併せてご覧ください。
まとめ
この記事では、社宅の更新料について以下の内容で解説しました。
- 社宅の更新料は会社と従業員のどちらが負担するのか
- 社宅更新の種類
- 更新料に関する地域差
社宅の更新料は、会社都合か自己都合かによってどちらが負担するか変わる傾向にあります。
会社都合の場合は、会社が負担するケースが多いですが、従業員に負担してもらうことも可能です。その際は、トラブルを防ぐためにも、割合やどちらが負担するかなどを社宅規程で明確にしておくことが重要です。
更新料の発生有無や金額は、地域によって大きな差があるため、社宅制度を導入するエリアに合わせて負担割合を変える方法もあります。
『リロケーション・ジャパン』では、更新期日管理や社宅規程に基づく更新条件の確認など、更新手続きにかかる一切の業務をサポートします。
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