【社宅利用】賃貸物件の更新料・更新事務手数料に関する支払い義務と注意点
賃貸物件では、一般的に2年の契約期間が定められており、継続して居住する場合には更新手続きが必要です。賃貸借契約を更新する際には、更新料や事務手数料といった費用がかかるケースがあります。
賃貸物件を社宅・社員寮として提供する企業は、更新時の費用について「どれくらいかかるのか」と疑問を持つ担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、社宅で利用する賃貸物件にかかる更新費用の相場や支払い義務の有無、注意点について解説します。
社宅の更新料と更新事務手数料の相場
賃貸借契約の社宅を更新する際にかかる更新料と更新事務手数料は、契約内容によって発生の有無、金額が異なります。
ここでは、それぞれの内容と費用の相場について解説します。
更新料
更新料とは、賃貸借契約を更新する際に借主が貸主へと支払う費用のことです。
賃貸借契約においては、一般的に2年間の契約期間が定められており、契約期間満了後も継続して住み続ける場合には、更新手続きが必要です。この更新手続きの際に、あらかじめ契約内容によって定められた金額を貸主へと支払います。
ただし、更新料は法令で定められた費用ではなく、不動産業界に根づいた商慣習と
されているため、地域によって発生の有無や金額が異なります。
更新料の相場は家賃1〜2ヶ月分となっており、東京では発生割合が高く、北海道や福岡では低い傾向にあります。
社宅における更新料の支払い負担や地域別の相場については、こちらの記事で詳しく解説しています。
更新事務手数料
更新事務手数料とは、賃貸借契約の更新手続きの際に発生する手数料のことを指します。借主が物件の管理会社に支払います。
賃貸借契約の更新には、書類の作成や保証人の確認などのさまざまな事務手続きが発生します。更新事務手数料は、物件の管理会社がこれらの事務手続きを行うことに対して支払う手数料です。
更新事務手数料の発生有無や金額は地域によって異なりますが、家賃割合ではなく固定額として費用が定められているケースもあります。相場は家賃の0.25〜0.5ヶ月分程度です。
▼【地域別】更新事務手数料の平均的な割合(更新事務手数料のみ発生案件)
地域 |
発生割合 |
更新事務手数料割合 |
北海道 |
15.9% |
0.22ヶ月 |
岩手 |
56.2% |
0.26ヶ月 |
秋田 |
56.9% |
0.31ヶ月 |
東京 |
3.5% |
0.27ヶ月 |
石川 |
53.0% |
0.46ヶ月 |
愛知 |
26.1% |
0.26ヶ月 |
大阪 |
17.5% |
0.24ヶ月 |
広島 |
46.6% |
0.24ヶ月 |
香川 |
39.2% |
0.18ヶ月 |
福岡 |
44.9% |
0.19ヶ月 |
リロケーション・ジャパン2021年度管理実績データを基に作成
上記を見ると、更新事務手数料の発生割合は、東北地方や北陸地方で特に高い傾向があることが分かります。
更新料・更新事務手数料には支払い義務がある?
更新料・更新事務手数料は、賃貸借契約書に明記されている場合、原則的に支払い義務が発生します。
ただし、判例においては、更新料の支払い特約の金額が契約期間や賃料月額と照らし合わせて過大ではなく、内容が明確に定められている場合に限り、特約が有効になると判断されています。
更新料・更新事務手数料の内容・金額について、賃貸借契約書に記載がない場合は、管理会社に確認することが重要です。
トラブル発生を防ぐ更新時の注意点
賃貸借契約を更新する際のトラブルを避けるために、更新時にかかる費用や違約金などについて、契約時にしっかりと確認することが重要です。
更新料・更新事務手数料の発生有無・金額は、その地域や物件によって異なるため、契約前に賃貸借契約書の内容を確認しておく必要があります。
また、賃貸借契約の更新時には、火災保険料や家賃保証の更新料が発生するケースもあります。賃貸借契約を締結する際は、火災保険料や家賃保証の更新料、支払うタイミングについても確認します。
さらに、転勤や退職などによって賃貸借契約の期間中に退去するケースも考えられます。契約期間中の解約には違約金が発生することがあるため、規定の確認も欠かせません。
賃貸借契約における短期解約の違約金については、こちらの記事で解説しています。
まとめ
この記事では、賃貸借契約の更新にかかる費用について、以下の内容を解説しました。
- 更新料と更新事務手数料の相場
- 支払い義務の有無
- 更新時の注意点
賃貸借契約の契約期間を超えて、引き続き居住する場合には、契約の更新手続きが必要です。地域によって異なりますが、更新時には更新料と更新事務手数料が発生するケースがあります。
また、こちらの記事では、敷金・礼金の概要や社宅における負担区分、ほかの費用に関する負担区分について解説しています。併せてご覧ください。
社宅担当者は、更新時に発生する費用項目と金額について契約書を確認しておくことが重要です。自社での社宅管理のリソースに限りがあり、契約書の確認、更新手続きなどの業務負担が大きくなる場合には、代行サービスを活用することも一つの方法です。
『リロケーション・ジャパン』の社宅管理サービスでは、社宅物件の賃貸借契約、その後の更新手続きなどの業務をトータルサポートしております。詳しくはこちらからお問い合わせください。