社宅にする賃貸物件を内見・内覧するときに知っておきたい4つのチェックポイント
社宅として借り上げる賃貸物件を契約する際は、事前に内見・内覧(以下、内見)を実施します。内見を実施せずに入居すると、「物件の紹介資料と実物の印象が違った」「近隣施設を含む居住環境などが気になる」など、住み始めてからトラブルや不満につながることがあります。
会社側で物件の選定を行う場合でも、できる限り入居者に現地の物件を内見してもらう、または、不動産会社に部屋の内部写真や周辺環境を確認してもらいましょう。
人事総務部門のご担当者さまのなかには、「内見を実施するときに何をチェックしておくとよいか」「内見を実施できない場合はどうすればよいのか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、社宅の内見時にチェックしておくポイントと内見を実施できない場合の対応について解説します。
社宅の契約前に内見を実施する必要性
賃貸物件の設備や生活環境をめぐるトラブルを抑制して、従業員が住みやすい快適な社宅を選定するために、契約前に内見を実施しておくことが望まれます。
賃貸物件では、物件資料や写真などで部屋の状況をある程度把握できます。しかし、以下のような内容については図面や写真だけでは分からないことも多く、現地でなければ確認するのが難しくなります。
▼現地でなければ確認が難しい情報
- 広さの感覚
- 日当たりのよさ
- 設備の劣化状況、小さなキズの有無
- 周辺の交通量や騒音
- 隣家または通行人からの視線 など
快適な環境で生活しやすい物件を契約できれば、従業員の満足度が向上するほか、社宅制度の利用希望者が増えることも期待できます。
なお、内見を行わずに賃貸借契約を締結するリスクについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
社宅の内見を実施する際の4つのチェックポイント
賃貸物件の内見を実施する際は、事前に物件資料を見て社宅規程に則しているかどうかを確認しておくことが重要です。法人契約の可否や契約期間の制限などを確認したうえで、条件に合致する物件をピックアップして内見を行う必要があります。
また、一度の内見ですべての情報を確認したり、限られた期間で条件を満たす物件を探したりすることは難しいと考えられます。入居する従業員の譲れない条件を確認して優先順位を付けておくと、スムーズに物件の選定を進められます。
ここからは、内見の際に確認しておきたいポイントを紹介します。
①部屋の使いやすさ
その部屋で生活することを想定して、間取りや収納などが使いやすいかどうかを確認します。
▼チェックする項目
- 生活動線がスムーズか
- 各部屋に扉や仕切りがあるか
- 収納スペースの使い勝手がよいか(高さ・奥行き・棚の高さ・可動の可否)
- 洗濯機や冷蔵庫などの生活家電を置くスペースがあるか
- TV端子の場所やコンセントの位置・数に問題はないか など
収納スペースや家電・家具の設置場所が限られたり、狭かったりすると使いにくさを感じることがあります。実際に家事をしたり、家具・家電を配置したりするイメージを膨らませながら部屋を確認することがポイントです。
なお、社宅の平均的な間取りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
②設備・建具の状態
住宅の設備・建具は、その部屋での暮らしやすさや快適性を左右する重要な要素となります。どのような設備が備わっているか、建具が問題なく動くか、劣化や故障がないかなどを確認しておきます。
▼チェックする項目
- 扉や窓、網戸をスムーズに開け閉めできるか
- エアコンやコンロ(ガス・IHなど)が備わっているか
- キッチン・トイレ・浴室などの水回りにカビや嫌なにおいはないか
- 蛇口や排水溝、換気扇などが破損・故障していないか
- 壁紙やフローリングに汚れ・カビ・雨漏りの跡がないか
- 照明器具が備わっているか など
③生活環境
部屋の内部だけでなく、外部環境も日常生活の快適性を左右します。
安心で快適に過ごしやすい生活環境が整っているか、利便性が高いかなどを確認しておく必要があります。また、周辺環境を見て防犯面やプライバシーに問題がないかを確認することも重要です。
▼チェックする項目
- 窓から日差しが入るか
- 隣接する建物や通行人の視線が気にならないか
- 帰宅ルート上または徒歩・自転車圏内にスーパーやコンビニがあるか
- 病院や役所、銀行などが通いやすい場所にあるか
- 最寄りの公共交通機関までの道は整備・防犯対策がされているか
- 周辺に騒音や臭いを発する店舗や施設はないか など
④共用部分の状態
共用部分の状態は、物件の防犯設備や入居者のマナーなどを確認できる要素となります。清掃が行き届いている物件ほど、管理会社によってきちんと管理されており、入居者マナーが守られている状態と考えられます。
▼チェックする項目
- エントランスや階段、廊下が清掃されているか
- 駐輪場が整理されているか
- 郵便ボックスのゴミ箱がきちんと回収されているか
- ゴミ置き場が散乱していないか、粗大ゴミが放置されていないか
- エントランスやエレベーターに騒音、ゴミ出しルールなどに関する注意書きがないか
- 防犯カメラの台数や設置場所、宅配ボックスの大きさ など
内見を実施できない場合の対応
賃貸物件を契約する際には、急な転勤に伴う入居で内見をする時間がなかったり、遠方にある物件で現地に出向くことが難しかったりするケースがあります。現地で内見を実施できない場合は、オンライン内見や代理内見を行うことも一つの方法です。
オンライン内見は、ビデオ通話を利用して不動産会社のスタッフに現地で物件を紹介してもらうサービスです。代理内見は、現地の近くに住んでいる従業員に依頼して代わりに内見をしてもらう方法です。
また、周辺環境については地図のアプリケーションや賃貸物件の口コミサイトなどから調べる方法もあります。
オンライン内見については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、社宅にする賃貸物件の内見について以下の内容を解説しました。
- 社宅の契約前に内見を実施する必要性
- 社宅の内見を実施する際の4つのチェックポイント
- 内見を実施できない場合の対応
賃貸物件の内見を実施する際は、部屋の使いやすさや設備・建具の状態、生活環境、共用部分の状態などを確認しておくことが重要です。従業員が住みやすく、快適かつ安心に暮らせる物件を選ぶことで、満足度の向上につながります。
ただし、限られた期間ですべての条件を満たす賃貸物件を見つけることは難しくなります。従業員の譲れない条件を確認したうえで、優先順位をつけて賃貸物件の選定を行うことがポイントです。
『リロケーション・ジャパン』では、社宅規程に沿った賃貸物件の選定から契約手続き、引越しの手配、運用までをトータルサポートしております。社宅管理に関する社内の業務負担を軽減しながら、従業員に喜ばれる制度の運用を実現します。
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