
従業員の単身赴任が決定した際に必要なものと手続き
※2025年11月25日更新
従業員に転勤の辞令を出したとき、辞令を受けた従業員が同居中の家族を現在の居住地に残して単身赴任となることがあります。このとき、単身赴任する従業員はこれまで生活で使用していたさまざまなものを現在の住居に残して引越しするため、新たに多くの物品を購入・準備する必要があります。また、転勤に伴って必要となる手続きも多岐にわたります。
人事総務部門のご担当者さまのなかには「従業員が単身赴任する際には何を用意すればよいのか」「転勤に伴って必要となる手続きは何か」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、単身赴任を行う従業員が用意する必要があるものや手続き、企業側で支援できる物事について解説します。
→【おすすめ!】記事とあわせて読みたい「家具・家電付き社宅の導入メリットとは」
目次[非表示]
単身赴任での引越しに用意が必要なもの
単身赴任の引越しは、家族での引越しとは異なり、必要な荷物のみをコンパクトにまとめて、スムーズに進めることがポイントです。
最低限必要な生活用品・家電・家具
新生活のために必要なものとして、主に以下が挙げられます。
▼単身赴任で引越しする場合に用意が必要なもの
種類 | 具体例 |
家具 | ベッド、椅子、テーブル、カーテン など |
家電 | 冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機、テレビ など |
衣類 | 仕事着、普段着、下着、部屋着、靴、ハンガー など |
家庭用品 | 調理器具、食器類、キッチン用品 など |
▼引越し後に早めに用意したいもの
種類 | 具体例 |
トイレタリー | ボディソープ、シャンプー、歯ブラシ、石けん など |
日用消耗品 | 洗剤、トイレットペーパー、防虫剤、ゴミ袋 など |
単身赴任においては、引越し前に同居人と共同で使用していた家具や家電、家庭用品などを引越し先に持ち込むことは少なく、新たに用意することがほとんどです。
なお、単身赴任に必要な家具・家電については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
赴任先による違い(都市部・地方・海外赴任)
単身赴任の準備は「どこへ赴任するか」で大きく変わるため、都市部・地方・海外の違いを理解したうえで必要な物を選ぶことが重要です。
地域によって生活インフラ、交通手段、現地調達のしやすさ、必要書類の取り扱いなどが異なるため、同じ準備では対応できないケースが多いためです。
▼赴任先別に必要な準備ポイント
赴任先 | 準備すべきもの | 注意点 |
都市部(国内) | 家具・家電は現地調達しやすく、荷物を最小限にできる | 生活インフラが整っているため初期負担が少ない |
地方(国内) | 自動車や自転車の必要性が高い | 公共交通機関が不十分な地域があり、移動に制約もある |
海外赴任 | 医薬品、日本の行政手続きに必要な書類、現地入手が難しい用品が必須 | 電圧やプラグ形状が違うため家電の持ち込みに注意が必要 |
まずは自分の赴任先の環境を事前に正しく把握し、それに合わせて必要な持ち物や生活準備を最適化することで、スムーズな単身赴任生活がスタートできます。
単身赴任における引越し当日の持ち物
引越し先に発送せずに手荷物として持っていくものとしては、以下が挙げられます。
▼引越し当日の持ち物
種類 | 具体例 |
手続きに必要なもの | 印鑑、身分証明書、貴重品、筆記用具、提出する書類 など |
荷ほどき作業に使う道具 | 軍手、はさみ、カッター など |
その他 | スマートフォンの充電器、着替え、洗面用具、トイレットペーパー など |
作業道具を持っていっておくと、荷ほどき作業を円滑に進められます。また、手続きに必要なものについては、不備がないように余裕をもって準備しておくことが大切です。
単身赴任の際に必要な手続き
単身赴任に伴う引越しに際しては、役所や各種事業者との手続きが必要になります。
▼単身赴任の際に必要な手続き
- 不動産会社との契約手続き
- ライフラインの契約手続き
- 住民票の異動
- 印鑑登録の変更
- 各種住所変更手続き など
住居に関しては、単身赴任が決まった時点で住居探しをして、その後は不動産会社との契約手続きを済ませます。
住所変更・公共料金・転入届などの行政手続き
国内で単身赴任を行う場合、以下の行政手続きを期限内に行う必要があります。
▼住民票の異動
- 転出届:現住所の市区町村役場に提出(引越し日の14日前から)
- 転入届:赴任先の市区町村役場に提出(引越し日から14日以内)
▼公共料金・ライフラインの手続き
- 電気、ガス、水道の利用開始手続き
- インターネット回線、固定電話などの通信環境の契約・移転手続き
手続きの漏れは、生活上の不便に直結するため、計画的な対応が不可欠です。そのため、チェックリストを活用し、順序立てて進めることが求められます。なお、印鑑登録の変更は、住民票の異動後に実施する必要があります。
企業側は、これらの手続きに関する基本情報の提供や必要書類の案内を行うことで、従業員の負担軽減に寄与できます。
健康保険・給与・社宅契約など会社関連の手続き
単身赴任に伴う会社関連の手続きは主に人事・総務部門と連携し、給与体系や福利厚生の変更を伴うことが一般的です。
- 単身赴任手当、帰省旅費手当など、赴任に伴う新たな手当の支給申請手続き
- 健康保険・社会保険の住所変更手続き
- 「社宅使用契約」の締結
これらの手続きは、従業員の経済的な基盤と福利厚生に関わる重要な事項であるため、人事・総務部門は、単身赴任規程に基づき、漏れや誤りのないよう正確に対応することが求められます。
マイナンバー・銀行口座・郵便物転送の確認
生活に関わる細かな手続きのなかにも、単身赴任で特に注意が必要なものがあります。
- マイナンバーカードの住所変更(住民票の転入届提出時に合わせて行う)
- 銀行口座・クレジットカードの登録住所変更
- 郵便物転送サービスの手続き
これらの手続きは、赴任者本人が主体となって進める必要がありますが、企業側はチェックリストを提供するなどのサポートを行うことで、手続き漏れを防ぐことができます。
なお、引越しする際に必要な届出と手続きについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
単身赴任する従業員に対して企業側で用意できること
単身赴任は、従業員本人のみならず、その家族にとっても心理的・経済的な負担が大きいイベントです。特に、引越し準備や各種手続き、住居の確保、生活環境の整備など、短期間で多くの対応が必要となるため、従業員が抱えるストレスは非常に高い水準にあります。
このため、単身赴任が業務遂行上不可欠である以上、企業は従業員が円滑に新生活を開始できるよう、制度面・実務面の両側から支援を行うことが求められます。
こうした取り組みにより、従業員のパフォーマンス低下を防ぐだけでなく、企業のエンゲージメント向上や離職防止にもつながります。
引越し費用や準備費用の補助
単身赴任にかかる費用は、引越し業者への依頼費用だけでなく、生活用品の購入、初期費用(敷金・礼金)、移動交通費など、多岐にわたります。特に会社都合の単身赴任であれば、企業側が費用を全額または一定割合負担することは、従業員満足度向上の観点からも一般的な取り組みです。
▼企業が負担できる主な費用例
- 引越し業者への依頼費用(荷物搬送・梱包など)
- 新居の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)
- 必要な家具・家電の購入費
- 現地への移動交通費
- 単身赴任手当や準備金の支給
企業による費用補助のメリットは、単なる経済的支援にとどまりません。従業員は「企業から大切にされている」という心理的安心感を得ることで、モチベーションの維持や中長期的な定着に大きく寄与します。
また、補助制度を明文化しておくことで、従業員側も事前に必要な費用を見積もりやすくなり、準備がスムーズに進むという実務的なメリットもあります。
社宅
単身赴任する従業員の住居として、社宅を提供することが考えられます。
住居探しや賃貸物件に関する第三者との契約手続きが不要となるため、単身赴任に際する従業員の労力を軽減できます。また、家具家電付きの社宅であれば、新たに購入したり、退去時に処分したりする必要もありません。
▼社宅提供が従業員にもたらすメリット
- 物件探しや契約の手間が不要
- 初期費用の負担軽減(企業が一部または全額負担するケースも多い)
- 勤務地にアクセスしやすい場所に住める
- 家具・家電付きの場合は購入や処分の必要がない
- 入退去時の手続きが簡単で、短期の単身赴任にも対応しやすい
特に家具・家電付きの社宅は、単身赴任者から高い満足度を得ており、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・ベッドなど基本の設備が整っているだけで、引越し準備の負担を軽減できます。
さらに、企業側にとっても社宅の整備は、従業員の安全管理や生活環境の安定を図りやすく、福利厚生としての価値向上にもつながります。
なお、家具・家電付きの社宅についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
→【おすすめ!】記事とあわせて読みたい「家具・家電付き社宅の導入メリットとは」
社宅管理代行サービス導入によって企業の負担を減らす
従業員の単身赴任の増加に伴い、人事・総務部門では社宅管理にかかる業務負担が増大します。
ここでおすすめなのが「社宅管理代行サービス」の導入です。社宅管理代行サービスは、企業の代わりに、社宅に関わる一切の業務を一元的にアウトソースできるサービスです。具体的に以下のメリットがあります。
- 入居・退去時の手続き、賃料精算、修繕対応といった業務負担の軽減
- 契約内容の適正化によるコンプライアンスの徹底
- 退去時の原状回復費用交渉によるコスト削減
- 迅速かつ専門的なサポートによる従業員満足度の向上
『リロケーション・ジャパン』の社宅管理サービスでは、社宅の運用をトータルサポートしています。
社宅に関する業務をアウトソースすることは、単に企業の業務効率化にとどまりません。従業員の単身赴任に伴うストレスを減らし、結果として企業の生産性向上と人材定着につながる戦略的な投資となります。特に単身赴任者が多い企業や、これから増加が見込まれる企業にとって、導入のメリットは大きいといえるでしょう。
まとめ
この記事では、単身赴任で必要なものと手続きについて以下の内容を解説しました。
- 単身赴任で引越しする場合に用意が必要なもの
- 単身赴任における引越し当日の持ち物
- 単身赴任の際に必要な手続き
- 単身赴任する従業員に対して企業側で支援できる物事
- 社宅管理代行サービス導入によって企業の負担を減らす
単身赴任に伴う引越しでは、引越しや新居で必要なものを準備したり、各種手続きを行ったりする必要があります。引越し作業だけではなく、引き継ぎ業務をこなしながらの対応となるため、従業員の負担が増えるものと考えられます。
企業としては、引越し費用や準備費用の補助、社宅の提供といったサポートが可能です。社宅を提供することで、従業員による住居探しや賃貸借契約等の手続きが不要となり、負担の軽減につながります。
『リロケーション・ジャパン』では、単身赴任者へ向けた社宅の運用をトータルサポートしています。さまざまな社宅管理業務をサポートしているほか、家具・家電付きの社宅サービスも提供しており、企業と従業員双方の満足度向上に貢献いたします。
詳しいサービス内容は、こちらの資料をご確認ください。




