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社宅への引越しガイド。役所への届出と必要な手続きを確認しておこう

※2025年9月18日更新

引越しで住所が変わる際には、さまざまな届出や手続きが必要になります。

社宅制度を導入している企業では、従業員のスムーズな転居をサポートするために

「どのような届出や手続きが必要になるかを知っておきたい」「必要な書類や期限についてマニュアルにまとめておきたい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、引越しの際に必要となる届出や手続き、社宅へ引越しをするフローについて解説します。

転勤が決まった際に必要な手続きはこちらの記事をご確認ください。

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目次[非表示]

  1. 1.引越しをする際に必要になる役所への届出とは
    1. 1.1.転入届
    2. 1.2.転居届
    3. 1.3.転出届
  2. 2.住民票の異動届だけではない!引越しに関する手続き
    1. 2.1.役所での手続き
      1. 2.1.1.➀印鑑登録の変更
      2. 2.1.2.②マイナンバーカードの住所変更
      3. 2.1.3.③子どもの転園・転校や児童手当などに関する手続き
      4. 2.1.4.④ペットの登録手続き
      5. 2.1.5.⑤介護保険の住所変更
    2. 2.2.役所以外で必要になる手続き
      1. 2.2.1.①人事総務部門への連絡
      2. 2.2.2.②運転免許証の住所変更
      3. 2.2.3.③郵便局への転送サービスの依頼
      4. 2.2.4.④銀行口座やクレジットカードの住所変更
    3. 2.3.旧居の退去に関する手続き
      1. 2.3.1.➀賃貸借契約の解約
      2. 2.3.2.②ライフラインの移転手続き
  3. 3.社宅に引越しをする際のフロー
  4. 4.社宅への引越しは住民票を移さなくてよいケースもある
  5. 5.まとめ

引越しをする際に必要になる役所への届出とは

社宅であっても、「生活の本拠」になる以上、通常の引っ越しと同じ扱いになり、住民票の異動に関する届出が必須になります。

主に「転入届」「転居届」「転出届」の3種類があり、引越しのパターンによって提出する書類が異なります。

これらの届出は、法律で定められた期間内に行う必要があり、怠ると罰則が科される場合もあるため、注意が必要です。

届出の際には本人確認書類や印鑑、マイナンバーカードなどが必要となるため、事前に準備しておくと手続きがスムーズに進みます。

また、同じ市区町村内で引越しする場合と、異なる市区町村へ引越しする場合では、提出する住民異動届の種類が異なります。

▼住民異動届の種類

届出の種類

提出先

提出期限

必要書類

転入届

新住所の役所

引越し後14日以内

転出証明書、本人確認書類、マイナンバーカード等

転居届

同一市区町村の役所

引越し後14日以内

本人確認書類、マイナンバーカード等

転出届

旧住所の役所

引越し前14日以内

本人確認書類、印鑑

なお、住民票の異動に関する手続きについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

出典:e-Gov法令検索『住民基本台帳法』/総務省『住所の異動届は正しく行われていますか?

転入届

転入届は、他の市区町村から新しい市区町村へ引越した場合に、新住所の役所で提出する届出です。家族全員が一緒に引越す場合は、まとめて手続きが可能です。

▼住民基本台帳法 第22条

(転入届)
第二十二条 転入(新たに市町村の区域内に住所を定めることをいい、出生による場合を除く。以下この条及び第三十条の四十六において同じ。)をした者は、転入をした日から十四日以内に、次に掲げる事項(いずれの市町村においても住民基本台帳に記録されたことがない者にあつては、第一号から第五号まで及び第七号に掲げる事項)を市町村長に届け出なければならない。
一 氏名
二 住所
三 転入をした年月日
四 従前の住所
五 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄
六 転入前の住民票コード(転入をした者につき直近に住民票の記載をした市町村長が、当該住民票に直近に記載した住民票コードをいう。)
七 国外から転入をした者その他政令で定める者については、前各号に掲げる事項のほか政令で定める事項
2 前項の規定による届出をする者(同項第七号の者を除く。)は、住所の異動に関する文書で政令で定めるものを添えて、同項の届出をしなければならない。

引用元:e-Gov法令検索『住民基本台帳法

引越し後14日以内に提出することが法律で義務付けられており、これを怠ると過料が科されることもあります。

転入届の際には、転出証明書(前住所の役所で発行)、本人確認書類、マイナンバーカードや住民基本台帳カードなどが必要です。

転入届を提出することで、住民票の住所が新居に変更され、各種行政サービスを受けることができるようになります。

出典:e-Gov法令検索『住民基本台帳法』/総務省『住所の異動届は正しく行われていますか?

転居届

転居届は、同じ市区町村内で住所を変更する場合に必要な届出です。例えば、同じ市内で社宅へ引越す場合は転居届を提出します。

▼住民基本台帳法 第23条

(転居届)
第二十三条 転居(一の市町村の区域内において住所を変更することをいう。以下この条において同じ。)をした者は、転居をした日から十四日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
一 氏名
二 住所
三 転居をした年月日
四 従前の住所
五 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄

引用元:e-Gov法令検索『住民基本台帳法

こちらも引越し後14日以内に手続きを行う必要があり、本人確認書類やマイナンバーカードが必要です。

転居届を提出することで、住民票の住所が新しい社宅に変更され、行政サービスの継続利用が可能となります。

なお、転居届は市区町村をまたがない引越しに限定されるため、引越し先が別の市区町村の場合は転入届・転出届が必須です。

出典:e-Gov法令検索『住民基本台帳法』/総務省『住所の異動届は正しく行われていますか?

転出届

転出届は、現在住んでいる市区町村から他の市区町村へ引越す場合に、旧住所の役所で提出する届出です。

▼住民基本台帳法 第24条

(転出届)
第二十四条 転出をする者は、あらかじめ、その氏名、転出先及び転出の予定年月日を市町村長に届け出なければならない。

引用元:e-Gov法令検索『住民基本台帳法

引越し予定日の14日前から手続きが可能で、転出届を提出すると「転出証明書」が発行されます。

この証明書は新住所の役所で転入届を提出する際に必要となるため、引越し前に必ず受け取っておきましょう。また、転出届の提出には、本人確認書類や印鑑が必要です。

出典:e-Gov法令検索『住民基本台帳法』/総務省『住所の異動届は正しく行われていますか?

社宅の世帯主についてはこちらの記事をご確認ください。

→【あわせて知りたい!】引越し費用を削減する方法ってあるのかな?

住民票の異動届だけではない!引越しに関する手続き

引越しの際には、住民票の異動届以外にもさまざまな手続きが必要です。役所で行う手続きだけでなく、会社や金融機関、郵便局など、関係各所への連絡や変更手続きも忘れてはいけません。

特に社宅への引越しの場合は、会社の人事総務部門への連絡や、社宅規定に基づく手続きも必要となることがあります。

また、子どもがいる場合は転校や児童手当の手続き、ペットを飼っている場合は登録変更など、家族構成やライフスタイルによって必要な手続きが異なります。

役所での手続き

役所での手続きは、住民票の異動以外にも多岐にわたります。

印鑑登録やマイナンバーカードの住所変更、子どもの転校・転園手続き、ペットの登録、介護保険の住所変更など、家族構成や生活状況によって必要な手続きが異なります。

これらの手続きは、引越し後できるだけ早めに済ませることが大切です。特に、マイナンバーカードや印鑑登録は、他の行政手続きにも影響するため、優先的に行いましょう。

➀印鑑登録の変更

役所で印鑑登録をしている場合は、旧住所で印鑑登録を廃止したうえで、新住所への引越し後に新たな印鑑登録を行います。市区町村によって手続きが異なるため、事前に確認しておきましょう。

▼印鑑登録の変更手続きに必要な書類・持ち物

手続き

必要な書類・持ち物

旧住所での印鑑登録の廃止

  • 印鑑登録証
  • 本人確認書類

新住所での印鑑登録

  • 登録する印鑑
  • 本人確認書類

②マイナンバーカードの住所変更

マイナンバーカードの住所変更は、住民票の異動手続きと同時に行うことができます。マイナンバー通知カードを持っている場合も、住所変更の手続きが必要です。カードを持参し、役所の窓口で手続きを行いましょう。

マイナンバーカードは、住所変更の手続きを行わずに90日経過すると失効するため、注意が必要です。

▼住所変更の手続きと必要な書類・持ち物

手続き

必要な書類・持ち物

期限

マイナンバーカード

  • マイナンバーカード
  • 本人確認書類

転入届を提出した日から90日以内

出典:総務省『引越しの際は「マイナンバーカード・通知カードの住所変更手続」もお忘れなく!』/マイナポータル『引越し関連手続一覧

③子どもの転園・転校や児童手当などに関する手続き

子どもがいる場合は、所定の手当を受給するために住所変更の手続きが必要になります。また、子どもが幼稚園や保育園、公立の学校に入っている場合は、転園・転校の手続きが必要です。

▼子どもがいる場合の手続きと必要な書類・持ち物

手続き

必要な書類・持ち物

検診補助券の再発行

  • 母子手帳
  • 未使用の検診補助券

児童手当の住所変更

  • 受給事由消滅届(転居前に提出)
  • 児童手当認定請求書(転居後に提出)
  • 普通預金通帳
  • 健康保険証のコピー
  • 所得課税証明書

保育園・幼稚園の転園手続き

  • 入園願書
  • 住民票
  • 在園証明書

公立小・中学校の転校手続き

  • 在学証明書
  • 教科書用図書給与証明書
  • 転入学通知書

児童手当は、異動日の翌日から15日以内に申請することで申請月分から支給される特例が存在するため、引越し後の申請はなるべく早く行っておくと安心です。

出典:こども家庭庁『児童手当制度のご案内』/マイナポータル『引越し関連手続一覧

④ペットの登録手続き

犬を飼っている場合は、引越しの際に役所への届出が必要です。

▼犬の登録手続きに必要な書類

  • 登録事項変更届
  • 狂犬病予防注射済証

また、特定動物として規制されている動物を飼っている場合にも所定の手続きが必要になるため、引越し先の自治体に確認しておく必要があります。なお、猫については役所での手続きは特にありません。

社宅でのペット飼育については、こちらの記事で解説しています。

⑤介護保険の住所変更

介護保険の被保険者証を持っている場合、引越し先の役所で住所変更手続きが必要です。被保険者証や本人確認書類を持参して窓口で手続きを行います。

手続きを怠ると、介護サービスの利用に支障が出ることがあるため、早めに済ませましょう。

▼住所変更の手続きと必要な書類・持ち物

  • 受給資格証明書
  • 本人確認書類

役所以外で必要になる手続き

引越しに伴い、役所以外でもさまざまな手続きが必要です。特に社宅への引越しの場合は、会社の人事総務部門への連絡が必須となります。

また、運転免許証や銀行口座、クレジットカード、郵便局の転送サービスなど、生活に直結する手続きも忘れずに行いましょう。

もし手続きをしなかった場合には重要な書類が届かなくなったり、各種サービスの利用に支障が出たりすることがあります。

①人事総務部門への連絡

社宅への引越しの場合、必ず会社の人事総務部門に新住所を報告しましょう。社宅規定に基づく手続きや、給与・福利厚生の管理に必要となるため、早めの連絡が重要です。

また、会社によっては引越し費用の補助や手当が支給される場合もあるので、必要書類や申請方法を確認しておきましょう。

②運転免許証の住所変更

運転免許証を持っている場合は、警察署や運転免許試験場、運転免許センターなどで住所変更の手続きを行います。

▼運転免許証の住所変更に必要な書類

  • 変更届
  • 現住所を確認できる書類

現住所を確認できる書類には、住民票の写しや本人宛の郵便物などが挙げられます。詳しくは、各都道府県にお問い合わせください。

また、車をお持ちの方で駐車場を変更される場合は、手続きが必要となります。こちらの記事も併せてご確認ください。

出典:警察庁『日本在住で日本の運転免許証をお持ちの方

③郵便局への転送サービスの依頼

郵便局には、転居に伴う郵便物の転送サービスがあります。転居届を郵便局に提出しておくことで、旧住所あての郵便物を1年間にわたって新住所に無料で転送してもらえます。

転居に伴う転送サービスを利用する際は、郵便局の窓口への届出のほかに、ポスト投函やインターネット(e転居)での申し込みを行います。また、届出を行う際には、本人確認のための書類が必要になります。

④銀行口座やクレジットカードの住所変更

銀行口座やクレジットカードの住所変更も忘れずに行いましょう。各金融機関の窓口やインターネットバンキング、電話などで手続きが可能です。

住所変更を怠ると、カードの更新や重要な通知が届かなくなる恐れがあります。

旧居の退去に関する手続き

引越しの際は、新居の手続きだけでなく、旧居の退去に関する手続きも重要です。特に賃貸物件の場合は、契約の解約やライフラインの停止・移転手続きが必要となります。

➀賃貸借契約の解約

賃貸物件を退去する場合は、契約書に記載された期日までに解約の申し出を行いましょう。

一般的には1ヶ月前までに管理会社や大家さんに連絡が必要です。退去時には立ち会いが行われ、原状回復費用などが発生する場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

解約予告期間についてはこちらの記事をご確認ください。

②ライフラインの移転手続き

電気・ガス・水道などのライフラインは、旧居の停止と新居での開始手続きが必要です。

各事業者に連絡し、引越し日を伝えて手続きを行いましょう。併せて、インターネットや電話回線の移転も忘れずに行うことが大切です。

引越しが決まったときにやることリストはこちらの記事をご確認ください。

社宅に引越しをする際のフロー

従業員が社宅に引越しをする際は、一般的な引越しと違い、会社との連携が重要です。

具体的には以下の流れで手続きを行います。

手順

内容

1

社宅利用申請・承認

2

入居日・必要書類の確認

3

役所での住民票異動・各種手続き

4

人事総務部門への新住所報告

5

引越し業者・ライフラインの手配

6

旧居の退去手続き

7

役所で転居・転入等、各種手続き

スムーズに社宅への引越しを行うために、社内への申請手続きや提出してもらう必要書類、引越しまでに行っておく準備について従業員に共有しておくとよいでしょう。

なお、社宅に引越す際の手続きと流れについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

→【あわせて知りたい!】引越し費用を削減する方法ってあるのかな?

社宅への引越しは住民票を移さなくてよいケースもある

社宅への引越しでは、必ずしも住民票を移す必要がない場合があります。

例えば、単身赴任や一時的な転勤など、一定期間のみ社宅に住む場合は、会社の規定や家族の生活状況によって住民票を移さなくてもよいケースがあります。

ただし、住民票を移さない場合は、行政サービスや選挙権、各種手続きに影響が出ることがあるため、会社や役所に事前に確認しましょう。

住民票を移すかどうかは、社宅の利用期間や家族の同居有無などを考慮して判断することが大切です。

単身赴任の際の住所変更手続きはこちらの記事をご確認ください。

まとめ

この記事では、引越しに伴う届出や手続きについて以下の内容を解説しました。

  • 引越しをする際に必要になる役所への届出
  • 引越しの際に役所で行う届出・手続き
  • 役所以外で必要な手続き
  • 社宅に引越しをする際のフロー
  • 住民票を移さなくてよいケース

引越しをする際には、住所変更に関するさまざまな届出・手続きが必要になります。社宅に引越しする従業員に対して、必要な手続きや届け出、それに関する提出物・提示物などをまとめたマニュアルを作成しておくと、スムーズに手続きや届け出が進められます。

また、社宅制度に関する社内の申請手続きや提出書類、引越しの流れなどについても共有しておくと、従業員が迷うことなく準備を行えるようになります。

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