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社宅の賃貸借契約を解約する流れと必要なもの。スムーズに解約手続きを進めるには?

福利厚生の一環として社宅制度を運用するなかで、入居者の転勤や退職によって社宅を退去することがあります。社宅を退去する際には賃貸借契約の解約が必要になり、さまざまな手続きが発生します。

社宅制度を運用している人事総務部門ご担当者さまは、従業員や家主・管理会社とのトラブルを防いでスムーズに解約するために、手続きの流れ、必要なものについて理解しておかなければなりません。

この記事では、社宅の賃貸借契約を解約する際の手続きや必要なもの、スムーズに解約するためのポイントを解説します。


目次[非表示]

  1. 1.社宅の賃貸借契約を解約する手続きの流れ
    1. 1.1.①入居者の退去申請を承認する
    2. 1.2.②家主または管理会社に解約通知を行う
    3. 1.3.③退去日・立ち合い日時を決める
    4. 1.4.④原状回復費用が確定される
    5. 1.5.⑤敷金を精算する
  2. 2.賃貸借契約を解約する際に必要なもの
    1. 2.1.解約通知書
    2. 2.2.貸与物
  3. 3.スムーズに解約手続きを行うポイント
    1. 3.1.①退去に関する項目を社宅規程に明記する
    2. 3.2.②社宅管理サービスを利用する
  4. 4.まとめ


社宅の賃貸借契約を解約する手続きの流れ

社宅の賃貸借契約を解約する際は、入居している従業員と家主または管理会社とのさまざまなやり取りが発生します。一般的な手続きの流れは、以下のとおりです。


①入居者の退去申請を承認する

転勤や退職によって社宅を退去することになった場合は、社宅に住んでいる従業員に退去申請をするように伝えます。退去申請を受け取ったあと、社内での承認・処理を行います。

また、退去申請の承認を行う際は、退去予定日がいつになるかを確認しておく必要があります。


②家主または管理会社に解約通知を行う

賃貸借契約を解約する際は、貸主または管理会社に対して事前に解約通知を行う必要があります。

解約通知を行う期間(以下、解約予告期間)は契約内容によって異なるため、入居の時点で契約書を確認しておくことが必要です。借主都合による解約は、ほとんどの場合、解約日の1〜3ヶ月前までと定められています。

解約予告期間についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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③退去日・立ち合い日時を決める

家主または管理会社に解約通知を行ったあと、退去日と退去の立ち合い日時を決定します。

賃貸物件を退去する際には、原状回復の修繕範囲や費用負担について決定するために、家主または管理会社による立会いが行われます。退去立会いをスムーズに行えるように、従業員に以下の情報を伝えておくことが望まれます。


▼従業員に伝えておく情報

  • 退去日までに住居内にある荷物を運び出しておくこと
  • 退去立会いの日時とチェックされる内容
  • 原状回復費用の負担区分


なお、入居時に備えつけていない設備や備品を物件に放置して退去してしまうと、残置物に扱われて処分費用を原状回復費用として請求される場合があります。


▼残置物として扱われる可能性がある設備・備品

  • 物干し竿
  • 浴槽の蓋
  • 入居者にて設置した洗濯機やエアコンなどの家具・家電 など


④原状回復費用が確定される

退去立会いの当日は、家主や管理会社による住居のチェックが行われたのち、賃借人に請求する原状回復費用が確定されます。

入居時に敷金を支払っている場合には、敷金から原状回復費用を家主または管理会社に支払います。入居時に敷金を納めていない場合や、原状回復費用が不足する場合には、不足分を家主または管理会社に後日支払うことになります。

借上社宅に関する原状回復費用についてトラブルを防ぐために、「会社と従業員のどちらがどの範囲まで負担するか」を社宅規程で取り決めておくことが必要です。

なお、借上社宅の原状回復費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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⑤敷金を精算する

賃貸借契約の際に敷金を支払っている場合には、原状回復費用を差し引いた敷金の残金を精算して、家主または管理会社への返金請求を行います。

敷金が返金される時期は契約内容によって異なります。一般的には、賃貸借契約の終了後から1~2ヶ月程度とされています。



賃貸借契約を解約する際に必要なもの

賃貸借契約の解約手続きを行うにあたっては、解約通知を行うための書類と返却が必要なものを準備しておく必要があります。


解約通知書

家主または管理会社に対して賃貸借契約の解約を申し入れるための解約通知書を用意する必要があります。家主または管理会社によっては、契約時に解約通知書を渡される場合や、フォーマットが指定されている場合もあります。

解約通知書が手元にない場合には、家主や管理会社に連絡をして書面を郵送してもらうか、必要事項を記載した解約通知書を作成して提出します。


▼解約通知書に記載する項目

項目

内容

提出日

解約通知書を提出した日付

解約日

退去予定日

物件情報

住所・物件名・部屋番号

退去理由

退去する理由

契約者情報

契約している企業名・責任者名・連絡先

振り込み口座

敷金や家賃の日割り分などの返金分を振り込んでもらうための口座の情報


貸与物

鍵をはじめとした貸与物については、退去時に返却する必要があります。

契約時に貸与されたものを確認して、退去立会いの当日に用意しておくように従業員に伝えておきます。また、入居時に備えつけてあったエアコンをはじめとする部屋の備品や設備についても返却する必要があります。



スムーズに解約手続きを行うポイント

賃貸借契約を解約する際には、解約予告期間や原状回復などに関するトラブルが生じやすくなります。トラブルなくスムーズに解約手続きを進めるためのポイントには、以下の2つが挙げられます。


①退去に関する項目を社宅規程に明記する

社宅規程には退去に関する項目を明記しておくことがポイントです。

社内への退去申請が遅くなり、賃貸物件の解約予告期間を過ぎてしまった場合には、遅延した分の日割り家賃が請求される場合があります。

また、原状回復の範囲や費用の負担割合について明確に定めていない場合、支払いついて従業員とのトラブルに発展する恐れもあります。このような問題を防ぐために、以下の項目を社宅規程に明記しておく必要があります。


▼社宅規程に明記する項目

  • 退去申請を行う期間(例:退去予定日の〇ヶ月前まで)
  • 原状回復の範囲と費用負担の割合
  • 従業員から原状回復費用を徴収する例外的なケース


②社宅管理サービスを利用する

社宅に関する運用業務を一括でサポートしてくれる社宅管理サービスを利用することも一つの方法です。

社宅制度の運用には、賃貸借契約の締結や更新、解約などのさまざまな手続きが発生します。社宅の戸数が多くなるほど、社宅担当者の業務負担が増加するほか、手続きの漏れ・遅延が発生してしまうリスクがあります。

社宅管理サービスを利用すれば、社宅の運用業務に関する日々のサポートを受けられるため、社宅担当者の負担軽減や円滑な運用につながります。

社宅管理サービスの形態には、主に以下の2つが挙げられます。


▼社宅管理サービスの形態

  • 社宅物件の社宅物件の契約条件チェックや契約管理などの業務を代わりに行う運営代行(代行型)
  • サービス事業者が物件を借り上げて企業と転貸借契約を交わす、包括転貸方式によるフルアウトソーシング(転貸型)


社宅の規模や社内リソースに応じて、自社に合ったサービスを選ぶことがポイントです。



まとめ

この記事では、賃貸借契約の解約について以下の内容を解説しました。


  • 社宅の賃貸借契約を解約する手続きの流れ
  • 賃貸借契約を解約する際に必要なもの
  • スムーズに賃貸解約を行うためのポイント


賃貸借契約を解約する際は、従業員の退去申請を承認したあと、家主・管理会社への解約通知を行い、退去立会いの元で原状回復費用の精算、貸与物の返却などを行わなければなりません。

特に解約予告や原状回復費用についてはトラブルに発展しやすいため、退去に関する項目を社宅規程に明記しておくことが重要です。

また、社宅担当者の業務負担が大きく自社での運用が難しい場合には、社宅管理サービスを利用することも有効です。

リロケーション・ジャパン』では、包括転貸借契約によるフルアウトソーシングで社宅の運用をサポートいたします。家主・管理会社や従業員とのやり取りも当社が行うため、社宅担当者さまの業務負担の削減に貢献します。

詳しくは、こちらからお問い合わせください。

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