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社宅に定年制を設けるには。入居年齢の目安や運用時の注意点

社宅は、社宅規程に記載されている条件を満たしている社員に対して住居を提供する福利厚生の一種です。社宅の入居には企業によって一定の条件が設けられており、その一つに“入居年齢”があります。

企業の人事総務部門では、「社宅に定年制を導入する場合にどれくらいの入居年齢を定めるとよいか」「定年を迎えた従業員にはどのような対応が必要か」と気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、社宅の定年制を導入する際に目安となる入居年齢や定年を迎えた従業員への対応、制度運用時の注意点について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.社宅の定年制とは
  2. 2.定年に達した従業員への対応
    1. 2.1.➀社宅の退去を依頼する
    2. 2.2.②法人名義から個人名義に変更する
  3. 3.社宅の定年制を運用する際の注意点
    1. 3.1.社宅規程で定年制に関する内容を明記する
    2. 3.2.余裕をもって退去の通知を行う
    3. 3.3.事情に応じて退去の猶予期間を設ける
  4. 4.まとめ


社宅の定年制とは

社宅の定年制とは、社宅に入居できる年齢の上限を規定する制度です。

企業が社宅制度にかけられる予算や社有社宅に入居可能な人数には限りがあります。そのため、新入社員や若手従業員、転勤者などが社宅を活用しやすくするには、入居者の入れ替えを円滑に行える仕組みが重要です。福利厚生の公平性を保ち、従業員の社宅利用を促進するために定年制を採用している企業があります。

社宅の入居年齢は、一般的に30歳後半から40歳半ばまでを目安としていることが多くあります。しかし、法律上の定めはないため、企業が任意で設定することが可能です。

なお、入居年齢ではなく「入居してから10年まで」といったように入居期間の上限を定める社宅規程もあります。入居期間を定める場合の目安については、こちらの記事をご確認ください。

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定年に達した従業員への対応

社宅を定年制で運用する場合において、定年に達した従業員への対応には大きく2つの選択肢があります。


➀社宅の退去を依頼する

従業員が所定の年齢に達した際に、社宅の退去を依頼するケースです。

社宅を退去して従業員自身でほかの住居を探す必要があり、賃貸物件を借りる場合には以下の手続きが発生します。


▼社宅を退去してほかの賃貸物件を借りる場合の手続き

  • 社宅の退去手続き
  • 不動産会社での物件探し
  • 物件の内見
  • 申し込み
  • 賃貸借契約の締結
  • 引越しの手配 など


②法人名義から個人名義に変更する

法人名義の借上社宅を従業員が個人名義で再契約して住み続けるケースです。

定年に達した従業員のなかには、通勤のしやすさやさまざまな事情によって「同じ住居に住み続けたい」と希望する人もいます。

個人名義に変更することで、従業員自身で物件探しや引越しなどを行う負担がなくなりますが、再契約にあたって以下の手続きが必要です。


▼個人名義に変更する場合の手続き

  • 賃貸物件の再契約
  • 運転免許証、パスポートなど身分証明書の提出
  • 敷金の預け替え
  • 保証会社との契約
  • 火災保険への加入 など


賃貸物件の再契約に必要な書類や費用は、管理会社によって異なります。企業が支払った敷金については、従業員が新たに貸主へ預託したあとに返還されることが一般的です。

また、企業によっては法人名義で賃貸物件を契約したまま、家賃の全額を従業員の給与から天引きする場合もあります。

借上社宅の名義変更については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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社宅の定年制を運用する際の注意点

社宅の定年制を運用する際は、退去をめぐって従業員とトラブルが発生しないように通知方法や猶予期間などに配慮することが求められます。


社宅規程で定年制に関する内容を明記する

社宅規程には、定年制に関する内容を明記して、従業員が入居する際に共有しておく必要があります。


▼社宅規程に明記しておく内容

  • 入居可能な年齢の上限
  • 社宅定年に達した際に退去するまでの期間
  • 個人名義への変更可否
  • 個人名義への変更を希望する際の申請期間・手続き など


また、社宅定年での退去を依頼する場合には、スムーズに退去手続きを行えるように、原状回復にかかる費用について企業と従業員のどちらが負担するかを事前に定めておくことも効果的です。

原状回復の費用負担については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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余裕をもって退去の通知を行う

従業員に退去を依頼する際には、余裕を持って通知を行います。

従業員に退去通知を行うタイミングは、社宅定年に達する1~2ヶ月前が一般的といえます。また、通知を行う際には、提示した期日までに問題なく退去ができるか従業員に確認しておくことも必要です。

借上社宅の場合には、賃貸借契約を解約する際に家主や管理会社に申し出を行います。解約の申し出については賃貸借契約によって予告期間が定められており、期間を過ぎると超過分の日割り家賃や違約金を請求されるケースがあるため、注意が必要です。

賃貸物件の解約予告期間については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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事情に応じて退去の猶予期間を設ける

従業員の個別事情を考慮して、退去までの猶予期間を設けることが望ましいといえます。想定される事情には、以下が挙げられます。


▼猶予期間の設定が必要とされるケース

  • 物件が見つからない
  • 引越し会社の繁忙期で予約が取れない
  • 物件を契約する際の初期費用を準備できない
  • 通院や介護の関係で退去準備を進めることが難しい など


従業員がスムーズに退去できるように、会社側で物件探しや引越し手配のサポートを行うこと、引越し費用の補助を行うことなども一つの方法です。



まとめ

この記事では、社宅の定年制について以下の内容を解説しました。


  • 定年制における入居年齢の目安
  • 社宅定年に達した従業員への対応
  • 社宅の定年制を運用する際の注意点


社宅定年の年齢は、一般的に30歳後半から40歳半ばまでの入居年齢が定められることが多くあります。所定の年齢に達した際に退去を依頼する方法のほか、個人名義に変更して従業員自身で再契約する方法があり、それぞれ従業員が行う手続きや費用が異なります。

従業員とのトラブルを防いで円滑な運用を行うには、社宅規程で社宅定年に関する内容を明記するとともに、余裕をもって退去の通知を行うこと、個別事情を考慮して猶予期間を設けることが重要です。

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