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退職者はいつまでに社宅を退去すればよいか。猶予期間の目安とは

福利厚生の一種となる社宅制度は、従業員の経済的な負担を減らしたり、入社・転勤の際に住環境を整備したりする目的で導入されています。入居中の従業員が退職することになった際には、社宅の退去を求める必要があります。

人事総務部門のご担当者さまのなかには「社宅を退去してもらう際の猶予期間はどれくらい必要か」「退去をめぐるトラブルにはどのようなものがあるか」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、退職者が社宅を退去するまでの一般的な猶予期間とよくあるトラブル、社宅の退去手続きをスムーズに進めるポイントについて解説します。

なお、社宅の定年制や入居期限についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

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目次[非表示]

  1. 1.退職者が社宅を退去するまでの猶予期間
  2. 2.社宅の退去を依頼する際によくあるトラブル
  3. 3.退職者による社宅の退去手続きをスムーズに進めるには
    1. 3.1.①期間に余裕を持って退去通知を行う
    2. 3.2.②借上社宅の場合は個人契約の切り替えを提案する
    3. 3.3.③原状回復費用の負担区分を説明しておく
    4. 3.4.④残置物の処分・撤去について社宅規程に定める
  4. 4.まとめ


退職者が社宅を退去するまでの猶予期間

社宅の退去日は、原則として会社の退職日に設定します。しかし、荷造りや物件探し、引越しの手配などには時間を要するため、退職日に社宅を即座に退去することは難しいと考えられます。

従業員が新たな住居へ引越しするまでの準備期間を考慮して、社宅の退去まで一定の猶予期間を設けることが一般的です。猶予期間は企業によって異なりますが、2週間~1ヶ月程度が目安とされています。

なお、事前に伝えていた猶予期間内での退去が難しい場合には、従業員の個別事情を考慮して柔軟に対応することが求められます。



社宅の退去を依頼する際によくあるトラブル

退職する従業員に社宅の退去を依頼する際には、以下のようなトラブルが生じることがあります。


▼社宅の退去をめぐるトラブルの例

  • 猶予期間までに物件を退去してくれない
  • 退去に応じてくれない(継続入居を希望される)
  • 原状回復工事の費用に納得してもらえない
  • 退去後に従業員の私物が残されている など


物件を借り上げて従業員に貸与している場合には、賃貸借契約で定められている解約予告期間に沿って退去手続きを行う必要があります。借主都合で退去する際の解約予告期間は、解約日の1~3ヶ月前までとされることが多く、退去連絡後は取り決めた日までに物件の退去が求められます。

従業員に伝えた猶予期間内に退去が間に合わない場合や、退去に応じてくれない場合には、管理会社または貸主とのトラブルにつながります。

また、原状回復工事にかかる費用をどちらが負担するか認識の相違が生じたり、従業員の私物が部屋に残されていて処分に困ることもあります。

※賃貸物件の居住・使用によって発生した損耗や破損などを復旧する工事のこと。賃借人の故意・過失や不注意などによって生じた損耗・破損については、復旧工事にかかる費用を賃借人が負担することが定められています。


賃貸借契約の解約予告期間については、こちらの記事をご確認ください。

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退職者による社宅の退去手続きをスムーズに進めるには

社宅の退去手続きをスムーズに進めるには、退職時にトラブルにつながりやすい項目について事前に説明するとともに、社宅規程に定めておくことがポイントです。


①期間に余裕を持って退去通知を行う

退職が決まった従業員には、期間に余裕を持って退去通知を行うことが重要です。

借上社宅の場合には、賃貸借契約で定められた解約予告期間内に退去連絡を行ったうえで、原状回復費用を決めるための立会い日を設定します。

従業員に対しては、「いつまでに社宅を退去すればよいか」「立会いは誰がいつ行うか」を伝えておく必要があります。


②借上社宅の場合は個人契約の切り替えを提案する

法人名義で借りていた物件へ「退職後も住み続けたい」と希望があった場合には、管理会社・貸主の合意と条件次第では、個人契約への切り替えが可能な物件もあります。法人名義を個人名義に変更することで、従業員が退職後も住み替えをすることなく、同じ物件に住み続けられます。


▼借上社宅を法人名義から個人名義に変更する手続き

  1. 管理会社または貸主に名義変更の可否を確認する
  2. 名義変更が可能な場合は、法人契約の解約手続きを行う
  3. 個人契約の入居審査に必要な書類を従業員が用意する
  4. 入居審査が通ったら、従業員の個人名義で新規契約を締結する


なお、借上社宅の名義変更についてはこちらの記事をご確認ください。

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③原状回復費用の負担区分を説明しておく

社宅の退去時に原状回復費用のトラブルを防ぐには、従業員がどこまでの費用を負担するのか社宅規程に明記して、十分に説明しておく必要があります。

国土交通省が作成した『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』では、原状回復費用の負担区分について以下のように示されています。


▼原状回復費用の負担区分

対象
補修・修繕費用を負担すべき人
経年劣化や通常の使用によって生じた損耗
賃貸人
故意・過失・不注意などで生じた部屋の傷・汚れ
賃借人


社宅においても、賃借人が補修・修繕費用を負担する範囲=従業員の負担と定めていることが一般的です。また、入居時に部屋の状態を書面や写真で記録しておくと、認識の相違によるトラブルを防止できます。


なお、社宅の原状回復費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

  社宅の修理・原状回復費用は誰が負担する? トラブルを防ぐ方法 社宅を含めた賃貸住宅の懸念事項の一つに、退去後に必要となる修理費用が挙げられます。一般的にこの修理費用のことを、“原状回復費用”と呼びます。 普通の物件であれば賃貸人と賃借人の問題ですが、不動産会社や個人を問わず、貸主から借り入れた物件を従業員に貸し出す借上社宅の場合は企業も関係します。 そのため、「修理・原状回復費用は誰が負担するのだろう」「トラブルを回避するために原状回復について把握しておきたい」という担当者の方は多いのではないでしょうか。 この記事では、社宅の原状回復の概要や、費用の負担、トラブルを防止するための方法について解説します。 リロの社宅管理│業務削減効果90%以上のアウトソーシングサービス


④残置物の処分・撤去について社宅規程に定める

社宅規程には、残置物の処分・撤去についても定めておきます。

残置物とは、退去する際に残していった入居者の私物を指します。借上社宅では、退去時の原状回復義務があるため、従業員自身で購入した設備・家具は必ず撤去するように依頼します。


▼残置物の例

  • 物干し竿
  • 照明器具
  • エアコン
  • ガスコンロ など


なお、入居時に元から備わっていた設備・家具などは、前に住んでいた人の残置物に当たる可能性もあるため、誤って処分・撤去しないように従業員へ事前に伝えておく必要があります。



まとめ

この記事では、社宅の退去について以下の内容を解説しました。


  • 退職者が社宅を退去するまでの猶予期間
  • 退職者に社宅の退去を依頼する際によくあるトラブル
  • 社宅の退去手続きをスムーズに進めるポイント


社宅の入居者が退職することになった際は、2週間~1ヶ月程度の猶予期間を設けて物件の退去を依頼します。ただし、退去をめぐって従業員とのトラブルにつながることもあります。

社宅の退去手続きをスムーズに進めるには、期間に余裕を持って退去通知を行うとともに、名義変更の可否や原状回復費用の負担区分、残置物の処分・撤去などについて事前に伝えておくことが必要です。

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