【借上社宅の名義変更】個人契約に変更する方法と注意点

【借上社宅の名義変更】個人契約に変更する方法と注意点

借上社宅とは、企業が借主となって賃借した物件を、社員へ貸与する住居のことです。

社宅として契約している場合でも、さまざまな事情により状況が変化することがあります。借上社宅の名義を法人から個人に変更するというケースもその一つです。

名義を変更する程度であれば手間はかからないように感じますが、実際は煩雑な書類の手続きや費用などが発生する場合があります。

従業員から名義変更の申し出があり、「名義変更の方法を知りたい」「名義変更をする際の注意点を把握しておきたい」と考える担当者の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、借上社宅の名義を法人から個人に変更する方法と注意点について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.借上社宅の名義変更を行うケースとは
  2. 2.法人契約から個人契約に変更する方法
  3. 3.個人契約に変更する際の注意点
    1. 3.1.①敷金の引き継ぎ
    2. 3.2.②原状回復費用の負担
    3. 3.3.③礼金・再契約手数料の発生
    4. 3.4.④保証会社への加入
    5. 3.5.⑤火災保険への加入
  4. 4.まとめ


借上社宅の名義変更を行うケースとは

名義変更とは、賃貸借契約の契約者を変更する手続きのことです。通常、名義変更とは新名義での再契約手続きを指しますが、旧名義の解約と新名義の新規契約手続きも、名義変更と同義として取り扱うことが一般的です。

法人契約している借上社宅を個人契約に変更する場合は、新しく個人名義で直接契約する必要があります。

法人契約の社宅を個人契約に名義変更する理由として、「利用期間満了後も継続して住みたい」「退職に伴い契約が終了したが住み続けたい」などが挙げられます。

また、名義変更は法人契約から個人契約への変更以外にもさまざまなケースがあります。


▼名義変更を行うケース

法人契約から別の法人契約

前職企業で社宅契約をしており、継続入居をしたまま新所属企業名義の社宅契約に変更する場合

(会社分割・事業譲渡・合併などにより賃貸借契約締結後に社名変更を行う場合は、名義変更手続きには至らず、社名変更通知で終わるケースが一般的です)

法人契約から個人契約
転籍・退職・自己都合・社宅制度利用期限到来(社宅入居定年)により社宅を解約する必要が生じた場合で、社宅を退去せず、同じ社宅に継続して住むことを希望する場合
個人契約から法人契約
転職先に社宅規程があり、適用対象となる場合


社宅規程により、個人契約への名義変更が認められている場合、社宅業務の実務上、名義変更を行うケースで多いのは、“法人契約から個人契約”への名義変更です。

社宅に住む従業員のさまざまな事情により、法人契約から個人契約へ名義変更が行われています。



法人契約から個人契約に変更する方法

法人契約の社宅を個人契約に名義変更するためには、貸主と法人の契約内容を承継して個人で再契約、または貸主と法人の契約を解消して、新規契約を結ぶ必要があります。

従業員は、勤務先の社宅規程上、個人名義への変更が可能かを確認することが必要です。貸主からの承諾を得たあとは、入居審査を受けるために必要書類を用意して、名義変更の手続きを進めます。


▼社宅の名義を個人契約に変更する手続き

  1. 勤務先の社宅規程を確認する
  2. 賃貸借契約の内容を確認する
  3. 名義変更の可否と手続きに必要な情報を貸主・管理会社に確認する
  4. 個人契約への名義変更の手続きを行う


従業員とのトラブルを防止するためにも、名義変更に関する項目を社宅規程で明確にしておくことが重要です。



個人契約に変更する際の注意点

名義変更をする際は、敷金の引き継ぎ方法や原状回復費用、再契約手数料などに注意します。また、手続き方法や必要書類は貸主や管理会社により異なるため、事前に確認することが重要です。


①敷金の引き継ぎ

社宅は法人契約であるため、賃借人である企業が敷金を預託していることが原則です。

個人契約への変更に伴い、次の契約者となる個人(従業員)が敷金を預託する必要があります。このとき、個人が貸主に敷金を新たに預託したあと、企業が貸主に預託していた敷金を返還してもらうケースが一般的です。

一方で、貸主との合意を前提に、旧契約者である企業から新契約者となる個人に対し、敷金返還請求権(債権)を移譲するケースもあるため、従業員は敷金の引継ぎがどのように行われるのかを事前に企業や貸主に確認することが重要です。


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②原状回復費用の負担

法人契約から個人契約へ名義変更する場合は、継続入居中のため、退去とは異なり全ての家財を搬出することが困難であり、室内の状況を確認することが現実的ではないことから、原状回復工事そのものが実施できません。

そのため、従来の契約内容を引き継いだまま居住を続けて、退去したあとに精算することが原則となります。

ただし、個人契約終了後に、法人契約で住んでいた期間の原状回復費用は全額個人負担となる場合が一般的なため、社宅として使用していた法人契約期間の原状回復費用を巡りトラブルにならないよう、個人契約へと名義変更する前に社宅規程や企業担当者に確認することが大切です。


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③礼金・再契約手数料の発生

貸主により対応は異なりますが、契約時に礼金・事務手数料が発生する場合があります。特に、新規契約時には礼金が発生するケースが、再契約時には事務手数料(再契約手数料等)が発生するケースが多いですが、トラブルを避けるためにも、事前に名義変更の際にかかる費用を貸主に確認しておくことが重要です。

礼金や事務手数料の合計額が賃料の1ヶ月分以上に達して発生することもあるため、従業員には早めに準備するように伝えておくことが必要です。

また、アウトソーサーに名義変更手続きの業務を委託する際は、別途名義変更手数料が発生することが一般的であるため、併せて確認しておくことで安心して手続きを進めることができます。


④保証会社への加入

新規に個人契約を結ぶにあたり、連帯保証人を求められます。しかし、連帯保証人の確保は難しく、代わりに保証会社への加入を条件にしている場合も多く見られます。貸主によっては、両方必要な場合もあるため、確認が必要です。

保証会社に加入する際は、保証料の支払いが必要になるため、名義変更を申し出た従業員に周知しておくことが大切です。また、保証料は各保証会社によって異なります。


⑤火災保険への加入

勤務先の社宅が法人名義での火災保険に加入している場合、新たに個人名義での火災保険に加入する必要があります。


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まとめ

この記事では、社宅の個人契約への名義変更について以下の内容を解説しました。


  • 借上社宅の名義変更を行うケース
  • 法人契約から個人契約に変更する方法
  • 法人契約から個人契約に変更する際の注意点


借上社宅に入居する従業員から、退職後や契約期間満了後も継続して住みたいと申し出がある場合があります。

また、最近では、社宅入居期限満了後、継続入居したまま個人契約へ切り替えるという事例が多い傾向にありますので、『リロケーション・ジャパン』では、こういった事例にお応えするための特別なサービスモデルをご用意しております

個人契約に名義変更する場合に備えて、敷金の支払い・預入方法や再契約費用などの負担をあらかじめ取り決めて、スムーズに対応できるようにすることが重要です。

煩雑な社宅管理は、名義変更業務を含めて、アウトソースすることで業務効率を上げることができます。

リロケーション・ジャパンの社宅管理サービスは、転貸方式で培ったノウハウで借り上げ社宅管理業務の一切を代行することが可能です。

また、社宅定年到来時の継続入居率を上げて、会社にも従業員にも負担が少なく、手続きを円滑に伴走サポートする仕組みも用意されています。詳しくはこちらをご覧ください。

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