
社宅と社員寮は何が違う? 特徴やメリット・デメリットから自社に合わせて導入しよう
会社が所有または借り上げた住居を一般の賃貸物件よりも安い賃料で従業員に提供する社宅と社員寮。毎月の生活費の負担を抑えられるため、従業員に喜ばれやすく、満足度向上や採用時のアピールにもつながりやすい福利厚生といわれています。
これから住宅関連の福利厚生として社宅や社員寮の導入を検討している企業の担当者さまには、「福利厚生としての社宅と社員寮はどのような制度なのか」「それぞれの制度で何が違うのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、社宅と社員寮の違いや、従業員から見たそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
目次[非表示]
- 1.社宅と社員寮の違いとは
- 2.社宅・社員寮のメリット
- 3.社宅・社員寮のデメリット
- 4.社宅と社員寮、どちらを選ぶ?
- 5.まとめ
社宅と社員寮の違いとは
会社によって扱いは異なりますが、入居の対象者や共有スペースの有無などで区別されていることが一般的です。ただし、社宅と社員寮は、明確に違いが定義されているわけではありません。
▼社宅・社員寮の一般的な区別
種類 |
主な入居対象者 |
共有スペース |
主な貸与方法 |
社宅 |
世帯向け・単身者向け (従業員とその家族) |
なし |
|
社員寮 |
単身者向け |
あり |
|
それぞれの特徴は以下のとおりです。
社宅の特徴
社宅は大きく分けて“社有社宅”と“借上社宅”に分類されます。社有社宅は会社が所有する物件を従業員に貸し出す社宅です。
一方、借上社宅は市場にある賃貸物件を会社が借り上げて従業員に転貸する社宅です。借り上げる戸数によって、戸別社宅・集合借上社宅・一棟借上社宅に分けられますが、間取りや設備については賃貸物件と同様です。
なお、社宅の基礎知識や社宅の種類についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
社員寮の特徴
社員寮は、単身者向けの住居を指すことがあり、共同生活を送るための間取り・設備を備えた物件となっていることが特徴です。なかには男性専用・女性専用などの対象者を限定している寮もあります。
社宅と同様に社有社宅もしくは借上社宅の形式で貸与されますが、社宅と区別する場合には、一室でなく一棟単位での貸与を指す場合があります。
▼共同生活のための設備例
- 食堂や洗濯室、遊技場などの共有スペースが設けられている
- ワンルームでお風呂やトイレが共有になっている など
社宅・社員寮のメリット
従業員から見た社宅のメリットは、会社に賃料の一部を負担してもらった状態で賃貸物件に入居できる点にあります。一方、社員寮のメリットは家具・家電や共用の設備・サービスが揃っている点が挙げられます。
社宅のメリット
社宅のメリットには、以下が挙げられます。
▼メリット
- プライバシーが保たれやすい
- 賃料の負担が少ない
- 従業員が物件を選べることがある
社宅は、賃貸物件を利用するため、生活に必要な設備・スペースをほかの入居者と共有することがなく、従業員のプライバシーが保たれやすくなります。さらに、賃料の一部を会社が負担するため、従業員の負担が少なくなることがメリットです。
また、借上社宅の場合、社宅規程で定められた物件の条件を満たせば、従業員が住宅を自由に選択できる利点もあります。これらの観点から、社宅は物件のエリアや設備、プライバシーなどを重視する従業員に喜ばれやすいといえます。
社員寮のメリット
社員寮のメリットには、以下が挙げられます。
▼メリット
- 入居者同士の交流が生まれやすい
- 家具・家電が備わっている
- 健康管理がしやすい
社員寮では、建物内に食堂や大浴場、ジムなどの共有スペースがあるため、入居者同士の交流が生まれやすくなります。意見交換や悩み相談がしやすくなることで、職場での働きやすさにつながると考えられます。
また、生活に必要な家具・家電が備わっている社員寮では、入居者自らで購入・用意する必要がないため、入社や転勤で引っ越しする従業員にとって、大きなメリットといえます。
そのほか、食事の提供やジムの利用ができる社員寮であれば、入居者の生活習慣の向上が期待できるため、健康管理にも役立てられます。
従業員に健康的な食事を提供できる食事提供サービスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
社宅・社員寮のデメリット
従業員から見た社宅のデメリットは、入居者自身で生活環境を整える必要がある点です。一方、社員寮のデメリットには、入居者同士の距離が近いことによってさまざまな問題が生まれやすい点が挙げられます。
社宅のデメリット
借上社宅では賃貸物件を使用するため、家具や家電は従業員自らで用意する必要があります。
会社で社宅制度を導入する際には、従業員の負担が少なくなるように、家具・家電の貸し出しや、社宅に家具・家電を備えつけるといったサポートを検討することが重要です。
なお、家具家電付き社宅のメリット・デメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
社員寮のデメリット
社員寮では、入居者同士と顔を合わせる機会が多いため、プライベートを重視する従業員にとっては窮屈さを感じてしまうことがあります。
また、入居者との距離が近いことや、共有の設備・スペースがあることから、人間関係のトラブルにつながるケースも考えられます。
社員寮を導入する際は、寮生活での規則を定めて、入居者全員が安心して暮らせる環境を整備することが重要です。
社宅と社員寮、どちらを選ぶ?
上記のメリット・デメリットを踏まえつつ、利用者の数や従業員のニーズに合わせて選ぶことが重要です。それぞれに向いている会社は、以下のとおりです。
▼社宅が向いている会社
- 世帯を持っている従業員が多い会社
- 事業拠点が多い会社
▼社員寮が向いている会社
- 単身世帯の従業員が多い会社
- 地方の人材採用を推進したい会社
- 従業員の健康管理を促進したい会社
- 山間部や工場地帯など住宅数が少ない地域に拠点がある会社
まとめ
この記事では、社宅と社員寮について以下の内容を解説しました。
- 社宅と社員寮の違いとは
- 社宅と社員寮のメリット・デメリット
- 社宅と社員寮を選ぶポイント
社宅と社員寮には明確な定義はありませんが、入居者の対象や共有スペースの有無などで区別されていることが一般的です。それぞれのメリット・デメリットを踏まえつつ、利用する従業員の数やニーズに合わせて選ぶことが重要です。
『リロケーション・ジャパン』の社宅管理サービスでは、社有社宅の管理代行や、転貸方式によるアウトソーシングに対応しております。貴社のニーズに合わせたコンサルティングが可能です。
詳しくは、こちらからお問い合わせください。