社宅(住宅)制度コンサルティングとは。自社に合った社宅制度へ見直すには
社有社宅・借上社宅といった社宅制度は、従業員のエンゲージメント向上や定着率の向上、採用時のアピールなどにつながる福利厚生の一種です。
厚生労働省の『令和3年就労条件総合調査の概況』によると、企業における法定外福利費のうち“住居に関する費用”は51.4%と約半数を占めており、社宅制度は重要な位置づけにあると考えられます。
一方で「社宅制度を利用してもらえない」「従業員から不満の声が上がっている」などのように効果的な活用がされていない企業もいるのではないでしょうか。
現在の社宅制度から見直しを検討している方は、社宅(住宅)制度コンサルティングを活用することも一つの方法です。
この記事では、社宅制度コンサルティングを活用するメリットや主なサービス内容について解説します。
出典:厚生労働省『令和3年就労条件総合調査の概況』
目次[非表示]
- 1.社宅制度コンサルティングとは
- 2.社宅制度コンサルティングの主なサービス内容
- 2.1.➀住宅関連制度の診断
- 2.2.②社宅制度の設計・見直し
- 2.3.③社有社宅の運用代行
- 2.4.④CRE戦略の提案・サポート
- 2.5.⑤社宅の転貸
- 2.6.⑥家具・家電の貸し出し
- 3.まとめ
社宅制度コンサルティングとは
社宅制度コンサルティングとは、社宅制度や住宅手当などの住宅に関する福利厚生の導入・運用に関する支援を受けられるサービスのことです。“社宅コンサル”“住宅コンサル”などとも呼ばれます。
事業者のなかには、制度の運用に関する支援やアドバイスに加えて、社宅管理のアウトソーシングを同時に請け負っていることもあります。
▼社宅制度コンサルティングに依頼するメリット
- プロの視点から社宅制度のアドバイスを受けられる
- 住宅関連制度のトレンドに関する情報を収集できる
- 従業員の満足度向上につなげられる など
社宅制度を長年運用していて、社宅規程の内容が現在の市況・トレンドと乖離している場合や、従業員の利用率が低く十分な効果につなげられていない場合などは、社宅制度コンサルティングを活用することが有効です。
社宅制度コンサルティングの主なサービス内容
社宅制度コンサルティングを活用すると、住宅関連の福利厚生について全体的に見直すことが可能です。事業者によってサービス内容は異なりますが、一般的なものに以下が挙げられます。
➀住宅関連制度の診断
現在の住宅関連制度の内容や運用面の課題について診断を依頼できます。
企業が目指すビジョンや人事戦略を共有したうえで、現在の制度について調査・分析を行うことで“将来にありたい姿”とのギャップと問題点が明らかになります。
▼診断項目の例
- 社宅制度・住宅手当の運用コスト
- 運用体制や管理業務の効率性
- 人事戦略や業種、社風などとの適合性 など
診断結果に基づいて住宅制度の見直しを行うことで、企業の特性や人事戦略の方向性にマッチした実効性のある制度の実現につながります。
②社宅制度の設計・見直し
事前のヒアリングや診断を基に、プロの視点から社宅制度の設計・見直しに関する提案を受けられます。
社宅の運用管理に関する経験・ノウハウを持つコンサルティング会社に依頼することで、従業員の満足度向上や現場の負担軽減につながる専門的なアドバイスが期待できます。
▼社宅制度の見直し例
- 家賃相場調査に基づいた家賃上限額の改定
- テレワークやハイブリッドワークを考慮した社宅規程の見直し
- 社有社宅から借上社宅への制度変更
- 住宅手当や転勤準備金の廃止による借上社宅への転換 など
従業員の働き方やライフスタイル、市場のトレンドなどを考慮した時代に合った社宅を提供することは、人材の定着化、採用の強化にも結びつきます。
③社有社宅の運用代行
社有社宅では、福利厚生の一環として従業員の住みやすさや満足度の向上を図るだけでなく、会社の固定資産として建物の維持管理・税金の管理などを行うことが求められます。
これまで社内で対応していた多岐にわたる業務を外部に委託することにより、業務工数を削減してコア業務に集中して取り組めるようになります。
▼依頼できる業務の例
- 入居者の入退去管理
- 修繕工事の手配
- 各種法定点検の実施
- 使用料の徴収管理
- 共用部の清掃
- 入居者の苦情・トラブル対応 など
社有社宅の概要についてはこちらの記事をご確認ください。
また、社有社宅の代行サービスについてはこちらの記事をご確認ください。
④CRE戦略の提案・サポート
CRE(Corporate Real Estate:企業不動産)戦略とは、企業が所有する不動産を効果的に活用して企業価値の向上を図る経営戦略のことです。
企業の経営資産となる社有社宅の老朽化が進んでいる場合や、空室率が高くなっている場合などでは、CRE戦略を踏まえつつ時代・ニーズの変化に合わせた柔軟な対応を検討することが求められます。
▼CRE戦略を踏まえた提案・サポートの例
- リフォーム・リノベーションを実施して、現代の生活スタイルに合った間取り・内装にする
- 空室率が高い社有社宅を売却して借上社宅の運用に転換する
- 社員寮の空室を外部に賃貸する など
なお、社有社宅のリフォーム・リノベーションについてはこちらの記事をご確認ください。
⑤社宅の転貸
社宅の転貸とは、外部の事業者が契約した賃貸物件を法人または個人に転貸するサービスのことです。
企業が直接物件を借り上げるのではなく、事業者と家主が契約した物件を転貸する仕組みとなるため、契約手続きや家賃の支払いなどの窓口を一本化できます。
▼企業を対象とした包括転貸方式のイメージ
また、従業員を対象とした個人版の転貸サービスもあります。従業員自身で賃貸物件を借りる場合と比べて、契約手続きや敷金の負担などを抑えられます。
『リロケーション・ジャパン』では、包括転貸方式によるフルアウトソーシングのほか、従業員さま向けの個人転貸サービスを行っております。詳しくは、こちらをご確認ください。
⑥家具・家電の貸し出し
借上社宅を運用する企業を対象に、家具・家電の貸し出しサービスを提供している事業者もあります。
転勤者や外国人労働者のために借上社宅を提供する際に、家具・家電の貸し出しサービスを利用すると速やかに生活環境を整えられます。
また、「物件ごとに家具・家電のリース契約が異なる」「企業が貸し出している家具・家電が時代に合わなくなっている」といった問題も解消できます。
『リロケーション・ジャパン』では、包括転貸方式によって契約した社宅に家具・家電をつけられるサービスを提供しています。詳しくはこちらをご確認ください。
家具家電付き社宅のメリット・デメリットや注意点についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、社宅制度コンサルティングについて以下の内容を解説しました。
- 社宅制度コンサルティングに依頼するメリット
- 主なサービス内容
社宅制度コンサルティングを活用すると、住宅関連制度の見直しについて多角的な視点からアドバイスを受けたり、社宅の運用管理についてサポートを依頼したりできます。
満足度の高い福利厚生の提供に加えて、運用コストや企業価値などのあらゆる視点で住宅関連制度の見直しを図ることが可能です。
『リロケーション・ジャパン』では、社宅制度の設計・見直しや運用管理のアウトソーシングなどの総合的なサポートを行っております。「社宅担当者の業務負担が大きい」「時代に合った社宅で満足度を高めたい」などの課題を持つ方は、ぜひ一度ご相談ください。