
【社宅探し】フリーレントとは? 家賃を一時的に無料にするメリットや契約の注意点を解説
※2025年7月22日更新
社宅制度の導入で賃貸物件を探す際、不動産広告やポータルサイトで“フリーレント”というワードを目にしたことがあるのではないでしょうか。
フリーレントには、物件の家賃を抑えられるメリットがありますが、契約にはいくつか注意点も存在します。賃貸借契約後のトラブルを防ぐために、人事・総務担当者の方はフリーレントの意味やメリット、注意点について理解を深めておくことが重要です。
この記事では、フリーレントの概要をはじめ、フリーレントの物件を借りるメリット、注意点について解説します。
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目次[非表示]
- 1.フリーレントとは
- 2.物件がフリーレントになる理由
- 3.フリーレント物件を社宅にするメリット
- 3.1.①初期費用を抑えられる
- 3.2.②家賃が二重で発生しない
- 3.3.③引越し期間に余裕が生まれる
- 4.フリーレント物件を契約する際の注意点
- 4.1.短期解約の違約金が設定されている
- 4.2.契約開始日が更新月となる
- 4.3.家賃以外の費用はかかる場合がある
- 4.4.家賃が相場よりも高いケースがある
- 4.5.フリーレント物件に絞って探すことは難しい
- 5.交渉でフリーレントにしてもらう方法もある
- 6.まとめ
フリーレントとは
フリーレントとは、入居後に一定期間、家賃が無料になる物件のことです。フリー(free:無料)・レント(rent:家賃)に由来します。
家賃が無料になる期間は物件によって異なりますが、例として以下のようなケースがあります。
▼フリーレント物件の例
- 入居日から月末までの日割り家賃が無料になる
- 入居月を含めた2ヶ月分の家賃が無料になる
また、ほとんどの場合でフリーレントの期間以降もその物件に住み続けることが条件とされていることが一般的です。フリーレント期間の終了後は、通常の賃貸借契約と同様の家賃が発生します。
物件がフリーレントになる理由
物件がフリーレントになるのは、家賃を減額せずにその物件を借りてもらいやすくするためです。
賃貸物件では、入居者が決まらずに空室が続くと、貸主が家賃収入を得られなくなってしまいます。このような場合に、入居者を集めようとして家賃を減額すると、貸主とほかの入居者でトラブルが起こったり、当初予定していた投資回収計画に影響が出たりするおそれがあります。
フリーレント物件であれば、入居後から一定期間がたつと通常の家賃収入が得られるようになり、家賃の減額よりも貸主側の負担が少なくなります。
フリーレント物件を社宅にするメリット
一定期間、家賃が無料になるフリーレント物件を社宅として借り上げる場合、会社側のメリットは主に3つ挙げられます。
①初期費用を抑えられる
フリーレント物件の大きなメリットは、初期費用を抑えられることです。
賃貸物件の契約時には、初月の日割り家賃のほかに敷金・礼金・仲介手数料・前家賃などのさまざまな初期費用が発生します。
物件によって異なりますが、フリーレント物件は0.5ヶ月〜3ヶ月程度の家賃が無料になるため、初月の日割り家賃および前家賃を抑えられます。これにより、会社が負担する初期費用の削減につながります。
賃貸物件を借りる際にかかる初期費用については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
②家賃が二重で発生しない
家賃が二重で発生しないことも、フリーレント物件のメリットの一つです。
社宅の家賃は、一般的に会社と従業員で一定割合を負担します。月半ばに社宅に入居する場合や、契約から入居までに期間が空く場合は、従業員が旧住宅・新住宅の家賃を支払わなければならないケースがあります。
フリーレント物件であれば、家賃が発生するタイミングが遅くなるため、契約後の入居が遅くなる場合でも二重家賃を支払う負担がなくなります。
③引越し期間に余裕が生まれる
引越し期間に余裕が生まれやすいといったメリットもあります。
家賃の無料期間があるため、旧住宅を退去するタイミングについて、費用を気にせず柔軟に調整しやすくなります。
引越し手続き・準備の時間を確保しやすく、従業員の予定に合わせて引越し日を調整したり、旧住宅と行き来しながら荷物の準備をしたりできます。
引越し期間に余裕が生まれると、社宅管理担当者や従業員の時間的・精神的な負担の軽減にもつながります。
フリーレント物件を契約する際の注意点
フリーレント物件を契約する際には、違約金の発生有無や更新月などをはじめとする契約内容の確認が欠かせません。また、物件探しにおいてフリーレント物件が必ずしも見つかるとは限らないことも考慮する必要があります。
短期解約の違約金が設定されている
半年や1年など、設定されている一定期間内で解約した場合、違約金の支払いが必要になるケースがあります。違約金が設定される理由としては、フリーレントの期間後すぐに解約すると、貸主の利益にならないことが挙げられます。
フリーレント物件を契約する際は、あらかじめ賃貸借契約書を確認して、契約期間や違約金の有無・金額について内容を把握しておくことが欠かせません。
なお、社宅の運用においては転勤・定年退職のように会社都合で短期解約になる際は、会社が違約金を負担するのが一般的です。ただし、解約の理由別で会社と従業員のどちらが違約金を負担するかを設定する場合は、社宅規程で明確にしておくことが重要です。
短期解約による違約金についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
契約開始日が更新月となる
フリーレント物件を借りる際、契約開始日と支払開始日が混同しないように注意が必要です。
フリーレント物件では、初回の家賃支払いを開始する月が、契約から半月〜数ヶ月後となります。ただし、契約については賃貸借契約の締結日から有効です。
契約の更新月を確認する際は、家賃の支払開始日ではなく、賃貸借契約の締結日を確認することが必要です。
例えば、フリーレントが2ヶ月の物件を1月に契約した場合、家賃の支払いは3月分から発生しますが、更新は1月に行います。
家賃以外の費用はかかる場合がある
契約内容にもよりますが、フリーレント物件で無料になるのは家賃のみとなることが一般的です。それ以外の初期費用や駐車場代などは基本的に発生します。
一方で、賃貸借契約でかかる費用のなかでも共益費・管理費は、物件によっては家賃の一部として計上されてフリーレントの対象になるケースもあるため、契約内容を確認しておくことが欠かせません。
家賃が相場よりも高いケースがある
フリーレント物件のなかには、フリーレントにする代わりに家賃を相場よりも高く設定している物件が見られます。
このような物件の場合、初期費用はフリーレントによって抑えられるものの、長期間入居することで支払総額はかえって高くなることがあります。類似の物件の家賃相場や社宅としての利用期間などを考慮したうえで契約することが重要です。
フリーレント物件に絞って探すことは難しい
社宅にする物件を探す際にフリーレント物件に絞ってしまうと、物件がなかなか見つからない可能性があります。
フリーレント物件は一般的に見られるようになったものの、その数自体は多くなく、物件探しにおける必須の条件にするには向きません。
立地や利便性などほかの条件を優先して物件を探し、フリーレント物件があれば検討する方法が有効です。
交渉でフリーレントにしてもらう方法もある
フリーレントでない物件について、家主や不動産会社と交渉してフリーレントにしてもらうことは可能です。
フリーレントは、家賃を下げずに入居を促せる点で家主にとってもメリットが見込めます。そのため、入居者が長期間決まっていないような物件においては、フリーレントを条件に契約意思を示すことで交渉を受け入れてもらえる可能性があります。
一方で、すでに人気のある物件の場合や、繁忙期で物件が埋まりやすい場合などには交渉が難しくなりやすいと考えられます。
社宅管理代行アウトソーシングの導入事例についてはこちらの資料をご確認ください。
まとめ
この記事では、フリーレントについて以下の内容を解説しました。
- フリーレントの概要
- 物件がフリーレントになる理由
- フリーレント物件を社宅にするメリット
- フリーレント物件を契約する際の注意点
社宅用の賃貸物件を契約する際にフリーレント物件を選ぶと、初期費用を抑えられる、二重家賃の発生を防げる、費用を気にせずに引越し期間を調整できるなどのメリットがあります。
ただし、契約期間内の途中解約には違約金が設定されているケースもあるため、事前に賃貸借契約書を確認しておくことが重要です。また、更新月については、家賃の支払開始日ではなく、賃貸借契約の締結月となることにも注意が必要です。
フリーレント物件は数が多くないため、物件探しの必須条件にするには向きません。一方で、交渉次第ではフリーレントでない物件をフリーレントにしてもらえることはあります。
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