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転勤の準備を進めるスケジュールの組み方とは? 引越しを円滑に進めるための対策

人事異動で転勤が決まったら、業務の引き継ぎや新居探し、引越しなどのさまざまな準備を進める必要があります。転勤は、人材育成や企業の成長につながる人事施策である一方、従業員にとっては新たな勤務地で生活基盤を整える準備に金銭的・労力的な負担がかかります。

人事総務部門のご担当者さまは、転勤のスケジュールと必要な手続きについて従業員へ共有するとともに、転勤に伴う負担の軽減とトラブルを防ぐための対策を行うことが必要です。

この記事では、従業員に転勤を伝えるタイミングや着任までのスケジュール、円滑に進めるための対策について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.従業員に転勤を伝えるタイミング
  2. 2.転勤の内示から着任までのスケジュール
    1. 2.1.内示が出てすぐ
    2. 2.2.内示~着任の1ヶ月前
    3. 2.3.着任の1~2週間前
    4. 2.4.着任の前日
  3. 3.転勤を円滑に進めるための対策
    1. 3.1.費用の負担範囲を明確にする
    2. 3.2.住居に関する福利厚生を導入する
    3. 3.3.引越しや業務の繁忙期を避ける
    4. 3.4.従業員への精神的なケアを行う
  4. 4.まとめ


従業員に転勤を伝えるタイミング

人事異動で転勤を命じる際には、正式な辞令を出す前に対象の従業員へ内示を行います。

従業員への内示は、着任の2週間~1ヶ月前に出すことが一般的といわれています。ただし、単身または家族での転居を伴う転勤の場合には、引越しや子どもの転校手続きなどが必要になるため、1~6ヶ月ほど前までに内示を出すほうがよいと考えられます。

また、人事異動は会社の決算時期となる3月・9月に行われることが多く、4月・10月から転勤先に着任する場合には、不動産会社や引越し事業者の繁忙期と重なります。繁忙期になると、新居探しや引越しの手配が難航する可能性があるため、余裕を持ったスケジュールで進められるように配慮が求められます。

なお、従業員へ人事異動の内示を出すタイミングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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転勤の内示から着任までのスケジュール

転勤が決まったあとは、従業員にスケジュールの目安と必要な手続きについて共有しておき、漏れや遅れがないように行動してもらう必要があります。


内示が出てすぐ

内示が出てすぐのタイミングで、できるだけ早く行いたいのが転勤先の物件探しと引越し事業者の手配です。特に4月・10月に転勤を命じる場合には、引越し難民にならないように早めに異動のための準備を始める必要があります。


▼内示が出てすぐ行うこと

  • 不動産会社での物件探し
  • 旧居の退去通知(賃貸物件を退去する場合)
  • 引越し事業者の手配


賃貸物件の賃貸借契約から入居までには約1ヶ月かかります。着任の1ヶ月前までには、新居の契約手続きを済ませておくことが望まれます。

また、現在の住居が賃貸物件の場合、退去通知を行う期間が定められています。退去通知の期間は1~3ヶ月前までと賃貸物件の契約内容によって異なるため、事前に確認しておくことが必要です。

なお、引越し難民にならないための対策や転勤先の物件探しを効率的に進めるコツについては、こちらの記事をご確認ください。

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内示~着任の1ヶ月前

内示が出てから着任の1ヶ月前ごろまでに、転勤先への引越し準備と業務の引き継ぎを進めます。


▼着任の1ヶ月前に行うこと

  • 荷造り、不用品の処分
  • 業務の引き継ぎ資料の作成、後任者への情報共有
  • 社内デスクの整理整頓・清掃
  • 取引先や顧客、社内関係者への挨拶
  • 転園・転校の手続き(保育・幼稚園、小中高校に通う子どもがいる場合)


業務の引き継ぎを円滑に行うには、上司や後任者と相談したうえで異動日から逆算したスケジュールを定めることがポイントです。


着任の1~2週間前

転勤先に着任する1~2週間前までに、転勤先の物件への引越しと新生活をスタートさせるための各種手続きを行います。


▼着任の1~2週間前までに行うこと

  • 転勤先の物件への引越し
  • 新居での家具・家電の調達、ライフラインの開通
  • 旧居でのライフラインの解約、退去立会い
  • 各種住所変更の手続き
  • 転園・転校先の学校への必要書類の提出(転園・転校する場合)


現在の賃貸物件を退去する場合には、現地での退去立会いが必要になるため、引越し日と同日に調整しておくとスムーズです。

なお、引越しが決まった際に行うことについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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着任の前日

着任の前日までに新生活の準備を終えて、スムーズに転勤先で仕事ができる環境を整えておきます。


▼着任の前日までに行うこと

  • 出勤場所へのアクセスや出勤時刻の確認
  • 挨拶状・挨拶メールの作成
  • 転勤先での仕事に必要な書類や文具の用意


不明点がある場合には、人事総務部門や転勤先の上司などに確認しておく必要があります。



転勤を円滑に進めるための対策

転居を伴う転勤は、キャリアパス上のメリットや新たな出会い、学びなどのポジティブな意見がある一方で、内示から着任までの期間は従業員の金銭的・精神的な負担につながり、退職を考えるきっかけになることも考えられます。

従業員の負担を軽減してトラブルを防ぐには、企業による制度的なバックアップや辞令を出す際のフォローが必要となります。


費用の負担範囲を明確にする

引越しや転居時の契約にかかる費用については、会社と従業員の負担範囲を明確にしておく必要があります。会社都合による転勤の場合、転居にかかる費用の一部もしくは上限を決めて企業側で負担することが一般的です。


▼転居に関する費用の負担区分

負担者
費用
一般的に企業が負担する
費用
  • 賃貸借契約の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料)
  • 引越し会社の利用料(荷物の運搬費、作業スタッフの人件費)
  • 転居先までの交通費 など
従業員の負担になりやすい費用
  • ピアノやバイクなどの大型で特殊な荷物の運搬費
  • 物件探しのための移動費
  • 引越しの際に必要な宿泊費
  • 新居に必要な備品にかかる費用(家具・家電) など


なお、引越し費用の負担区分についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてをご確認ください。

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住居に関する福利厚生を導入する

転居を伴う転勤による従業員の金銭的な負担を軽減するために、住居に関する福利厚生を導入する方法があります。


▼住居に関する福利厚生

  • 住宅手当・家賃補助を支給する
  • 社宅を提供する


住宅手当・家賃補助は、転勤先で借りる賃貸物件の家賃について全額または一部を補助する制度のことです。毎月手当を支給することで、従業員が支払う家賃の負担を抑えられます。

また、社有の物件または借り上げた賃貸物件を社宅として提供すると、従業員自身で物件を借りるよりも住居費を削減できるほか、新居探しや不動産会社との契約手続きにかかる労力・時間も削減できます。

なお、転勤に伴って支給する手当についてはこちらの記事で解説しています。

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引越しや業務の繁忙期を避ける

トラブルなく円滑に転勤を進めるには、引越しの多い時期や業務の繁忙期を避けて、従業員の負担にならない時期を選ぶことも一つの対策です。

人事異動の時期を一括で切り替えることが難しい場合でも、一定の赴任期間を設けることで引越しの時期をずらすという選択があります。

また、業務の繁忙期を避けることで後任者へ引き継ぎを行う時間を確保しやすくなり、丁寧に情報共有を行うことが可能です。


従業員への精神的なケアを行う

転勤を命じられた従業員のなかには、新たな勤務先での業務や生活に不安を感じる人もいます。転勤によるモチベーションの低下や離職を防ぐには、精神的な面でのケアを行うことが求められます。


▼精神的なケアを行う方法

  • 転勤先で期待される役割、挑んでほしい新しい業務などを明確に伝える
  • 転勤によって従業員と家族に発生するおそれがある問題をヒアリングする
  • 異動後には業務や職場の人間関係に問題がないか、定期的に相談できる場を設ける
  • 異動先の拠点の管理職や担当者に対し、事前に精神的なケアについての指導・教育などを行う


内示を行う際に人事異動を命じる前向きな理由や、異動後のフォローについて詳しく伝えておくと従業員の安心感につながります。



まとめ

この記事では転勤の準備について以下の内容を解説しました。


  • 従業員に転勤を伝えるタイミング
  • 転勤の内示から着任までのスケジュール
  • 転勤を円滑に進めるための対策


転居を伴う転勤では、準備することが多岐にわたります。従業員がスムーズに準備を進められるように、スケジュールの目安や必要な手続きなどを共有しておく必要があります。

また、転勤による金銭的な負担を軽減するために引越し費用や住居費に関する制度によるバックアップを行ったり、精神的なケアを行って不安の軽減を図ったりすることも重要です。

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