
【チェックリストつき】社宅への引越しが決まったときにやることとは?
※2025年11月25日更新
転勤に伴って社宅への引越しが決まった際には、さまざまな準備や手続きが発生します。「何から準備すればよいのか」と戸惑う従業員もいると考えられるため、引越しの流れや準備について情報共有をしておくことが望ましいといえます。
人事総務部門の担当者のなかには、「引越しが決まった従業員に共有するためのマニュアルやチェックリストを作成したい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、引越しが決まった際にやることについてチェックリストとともに解説します。
なお、転勤に伴う引越し費用の負担についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
→【あわせて読みたい!】物流業界の今!社宅引越しに与える影響について 
目次[非表示]
転勤が決まってすぐにやること
転勤で引越しが決まった際にすぐにやることには、以下が挙げられます。
▼転勤が決まってすぐにやることリスト
- 新居探し
- 引越し会社の選定
- 不用品の処分
- 解約通知(賃貸物件に住んでいる場合)
①新居探し
転勤が決まったタイミングで、すぐに新居探しを始めます。特に不動産会社の繁忙期となる2~3月・9~10月は、物件の競争が激しくなるため、できる限り早めに決定することが重要です。
借上社宅の場合には、社宅担当者が物件探しを行う場合のほかに、一定の制限のなかで従業員が自ら物件を探して会社が許可をするケースもあります。
新居の物件が決まったら、入居可能日を確認したうえで必要書類を用意して賃貸借契約を締結します。賃貸借契約の締結には、入居審査が必要になります。
なお、不動産会社の繁忙期と閑散期や賃貸借契約の準備については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
②引越し会社の選定
物件の賃貸借契約を締結したら、見積りを取って引越し会社を選定します。
借上社宅の場合、特定の引越し会社と提携している場合もありますが、繁忙期は混み合うことが予想されます。スムーズに引越し会社を手配するために、早めの見積もり依頼と引越し希望日の決定を行うことが必要です。
▼引越し会社を選定するときの注意点
- 2月中旬から4月初旬は繁忙期となり、依頼から対応まで時間を要する場合が多い
- 長距離での引越しは、夕積みの翌日または翌々日の朝降ろしとなることが一般的
- 車両の陸送は3~10日ほどの期間がかかる
③解約通知
引越し日が決定したら、現在住んでいる賃貸住宅の賃借人に解約通知を行います。解約通知期間は1ヶ月以上前と定められていることが一般的です。
賃貸借契約の内容によって解約予告期間が異なるため、契約書を確認して期日までに告知をする必要があります。また、解約通知の際には、オーナーまたは管理会社と退去立会いの日時を調整します。
賃貸住宅の解約予告期間についてはこちらの記事をご確認ください。
④不用品の処分
賃貸物件を退去する際には、従業員の私物をすべて引き上げる必要があることから、引越しに伴って不要なものを事前に処分しておきます。
荷物が増えると引越し料金が増加するため、なるべく不要なものは先に仕分けをして処分しておくことが望ましいといえます。
なお、従業員自身で購入・取りつけたエアコンを転居先でも使用する場合は、事前に引越し会社に伝えておく必要があります。エアコンの脱着作業は、引越しの前日に行われることが一般的です。
→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「原状回復の基本知識と課題解決のポイント」
引越しの1週間前までにやること
引越しの1週間前までに、新居への移転に伴う各種手続きを行うとともに、計画的に荷造りを進め始めます。
▼引越しの1週間前までにやることリスト
- 住所変更の手続き
- ライフラインの手続き
- 梱包材の準備
- 使用頻度が低い荷物の梱包
①住所変更への手続き
現在と異なる市町村へ引越しする場合は、現住所の役所へ転出届を提出する必要があります。そのほか、住所変更の手続きが必要な内容に以下が挙げられます。
▼住所変更の手続きをする内容
- インターネットのプロバイダ契約
- 運転免許証
- 子どもの幼稚園、学校
- 郵便物の転送
- 各種保険の住所変更(生命保険、火災保険、自動車保険など)
引越しに伴う役所への届出については、こちらの記事で解説しています。
出典:総務省『住所の異動届は正しく行われていますか?』
②各種ライフラインの手続き
現在住んでいる住宅において、ガス・水道・電気などのライフラインの停止手続きを行います。
退去立会いの日程・時間を踏まえて、引越しまでの生活に支障がないようにライフラインを確保しておくことが重要です。
退去に伴うライフラインの手続きについては、こちらの記事をご確認ください。
③梱包材の準備
引越し先へ荷物を運ぶための梱包材を準備して、梱包の準備を始めます。
▼用意しておく梱包材
- 段ボール
- ガムテープ
- 養生テープ
- 緩衝材
- ビニール袋
引越し会社によっては無料で梱包材を提供していることもありますが、荷物量が多くなる場合は追加料金が発生することもあるため、事前に確認をして準備を進めることが望ましいでしょう。
④使用頻度が低い荷物の梱包
引越しまでに使用する機会がないと思われるものから荷造りを始めます。引越し前日までの生活に支障が出ない荷物を選ぶことがポイントです。
▼引越し前日までの生活に支障が出ない荷物の例
- 季節外の衣類や寝具
- 使用頻度が低い生活家電やストック用品
- インテリア雑貨や趣味グッズ
また、引越し会社に梱包・開梱を依頼する場合には、時間に余裕を持って依頼しておくようにします。
引越しの前日~当日までにやること
引越しの前日には、荷物をすぐに搬出できる状態にしておく必要があります。また、忘れ物がないように荷物の最終チェックを行います。
▼引越しの前日~当日までにやることリスト
- 日用品の荷造り
- 引越し作業
- 鍵の引き渡し・掃除・旧居の最終確認
- 新居での開通確認と設備チェック
①日用品の荷造り
引越しの前日になったら、使用頻度の高い日用品の荷造りを行います。引越し当日まで使用するものは、使い終わった段階で段ボールに詰めておくようにします。
また、入居後に以下のような設備を従業員が自ら購入して設置していた場合には、退去時にすべて撤去する必要があります。
▼撤去を忘れやすい設備の例
- 照明器具
- 物干し竿
- エアコン
- ガスコンロ
ただし、入居前から備わっていた設備については、オーナーや管理会社の許可なく撤去するとトラブルにつながるため、注意が必要です。
②引越し作業
引越し会社の作業員が到着したら、荷物の指示や確認をしながら積み込みを始めます。引越し作業を行うときの注意点は、以下のとおりです。
▼引越し作業を行うときの注意点
- 家具や家電などの大きな荷物の設置場所を事前に決めておく
- 積み残しがないか必ず確認してからサインをする
- 引越し会社の作業員が家財に傷をつけてしまった場合には、証拠として写真を撮っておく
荷物の運び出しがすべて終わったら、旧居の掃除をして退去立会いを行います。退去立会いでは、賃貸物件のオーナーまたは管理者と借主が一緒に部屋の損耗や傷などの状態を確認して、原状回復工事の費用負担を決定します。部屋の確認が終わったら、修繕内容について記載した書面へのサインと鍵の返却を行います。
なお、引越しに伴う旧居の掃除についてはこちらの記事をご確認ください。
③鍵の引き渡し・掃除・旧居の最終確認
旧居での作業は荷物の搬出だけではなく、トラブル防止のための解約手続きや室内チェックが含まれます。これらを確実に実施することで、敷金の返金を円滑に進め、追加費用の発生を防ぎます。
▼旧居で行う最終確認作業
項目 | 注意点 |
引越し会社への最終指示と作業立ち会い | 荷物の積み残しや破損がないか確認する |
電気・ガス・水道の停止手続き・メーター確認 | 当日までの利用分が正しく精算されているかをチェック |
簡易清掃(床・キッチン・水回り・ゴミ残留の確認) | 汚れを放置すると原状回復費用が増加する可能性があるため注意 |
管理会社・大家さんとの退去立ち会い | 破損箇所の有無・鍵の本数などを双方で確認する |
鍵の返却 | 返却証明の有無も確認し、後日のトラブルを防ぐ |
退去立ち会いの日程を早めに確保するよう従業員へ案内しておくとスムーズです。
④新居での開通確認と設備チェック
新居到着後は、生活インフラの開通と設備の安全確認を優先します。これを怠ると、初日から生活に支障が出たり、後日トラブルになったりする恐れがあります。特に単身赴任者は時間に余裕がないため、到着当日から翌日にかけての作業手順を事前に把握しておくことが重要です。
▼引越し後の作業項目
項目 | 注意点 |
引越し会社への搬入指示・荷物チェック | 破損・紛失がないか確認し、必要に応じてその場で申告する |
電気・水道の開通確認 | 入居当日から使用できるかの確認(ブレーカー・水圧など含む) |
ガスの開栓立ち会い | ガス会社による安全確認が必要なため、事前予約が必須 |
新居設備の点検 | 照明、エアコン、ドア・窓の施錠、水漏れ、排水状況などを確認し、不備があれば速やかに管理会社へ連絡 |
従業員が漏れなく対応できるよう、電力会社・ガス会社・管理会社など、開通に必要な連絡先一覧を事前に共有することを推奨します。
引越し後にやること
新居に移ってからは、新生活をスムーズに始めるための各種手続きを計画的に進める必要があります。ここでは、到着後すぐに行うべき行政手続きから、生活環境を整えるための準備まで、優先度の高い項目を整理して紹介します。
▼引越し後にやることリスト
- 転入届・免許証・保険などの住所変更手続き
- 家具・家電の設置とゴミ出しルールの確認
- 新生活に必要な契約
①転入届・免許証・保険などの住所変更手続き
引越し後に必ず行うべき公的手続きは、原則14日以内に済ませる必要があります。対応が遅れると、罰則や行政サービスの遅れにつながることもあるため注意が必要です。
▼やるべき主な手続き
- 転入届の提出
- マイナンバーカードの変更
- 運転免許証の住所変更
- 国民健康保険・国民年金の手続き
- 郵便物転送サービスの継続確認
また、会社員の場合は、企業側へ住所変更を届け出ることで、給与明細・年末調整・各種保険の登録情報が正しく更新されます。
②家具・家電の設置とゴミ出しルールの確認
生活環境を整えるためには、家の設備と地域ルールを早めに把握しておくことが重要です。
- 家具・家電の設置(冷蔵庫の設置・通電、洗濯機の設置、照明の取り付けなど)
- ゴミ出しルールの確認(分別方法、収集曜日、収集場所)
ゴミ出しルールの違反は、近隣住民や管理会社とのトラブルになりやすいため、必ず自治体ホームページや掲示板での確認が必要です。
③新生活に必要な契約
引越し後の生活が落ち着いてきたら、日常生活と業務に必要なサービスの契約状況を整理します。
▼契約・確認すべき主な項目
- 金融機関(銀行・クレジットカード)の住所変更
- インターネット回線の開通(工事の事前予約が必要な場合もある)
- 新しいかかりつけ医の確認(内科・歯科など)
- 防災関連の確認(避難経路・避難場所、非常用備品の準備)
これらの準備が整うことで、生活インフラがすべて安定し、単身赴任先での業務や生活に専念できる環境が整います。
企業の転勤支援と社宅管理の効率化
転勤に伴う引越しは、従業員にとって大きな負担になります。その負担をどれだけ軽減できるかが、企業の「転勤支援」の質を決めます。
社宅・借上げ住宅の管理業務の課題
企業の社宅管理業務は多岐にわたるため、以下の課題を抱えやすいです。
- 物件の新規契約や賃料の支払いなど、専門知識が必要な業務がコア業務を圧迫
- 不動産会社や管理会社とのやり取りが発生し、賃料や原状回復費用の把握が難しい
- 賃貸借契約に関する民法や、借地借家法などのコンプライアンスを徹底することが困難
- 従業員からの問い合わせ対応に時間がとられる
これらの課題は社宅数が増えれば増えるほど深刻化し、人事・総務部門のコア業務を圧迫する原因となります。
社宅管理代行サービスでの効率化とコスト削減
上記の社宅管理の課題を解決し、従業員への転勤支援を強化するための有効な方法が『社宅管理代行サービス』の導入です。
業務の一元化と効率化
社宅の選定から契約、退去対応までを一括管理することで、複数部署や担当者間での情報共有や調整の手間を削減できます。結果として、社宅担当者の業務負担を大幅に軽減し、人的ミスや対応遅延のリスクも低減します。
コストの適正化
豊富な契約実績と専門知識を活かし、規定(家賃上限)に合う物件探しや原状回復費用を適正に交渉します。
コンプライアンスの強化
法改正や規制変更に対応できる専門スタッフが管理を担うため、契約上のリスクを最小限に抑えられます。個人情報保護や賃貸借契約に関する法令遵守体制を整えることで、企業としての信頼性を高め、万一のトラブル時にも迅速な対応が可能です。
従業員満足度の向上
転勤や異動に伴う不安や手間を軽減するため、専門窓口がトラブル時に迅速対応します。入居前後のサポート体制も整っていることで、従業員は安心して新生活をスタートでき、結果として企業への満足度や定着率向上にもつながります。
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社宅への引越しが決まったときのチェックリスト
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まとめ
この記事では、社宅への引越しが決まったときにやることについて以下の内容を解説しました。
- 転勤が決まってすぐにやること
- 引越しの1週間前までにやること
- 引越しの前日から当日までにやること
- 引越し後にやること
- 企業の転勤支援と社宅管理の効率化
転勤が決まってから社宅への引越しまでには、住所変更の手続きや解約通知、引越し会社の手配、荷造りなどさまざまな準備が必要になります。
スムーズに社宅への引越しを行うために、社宅担当者は従業員が行う準備をまとめたチェックリストやマニュアルを作成して、共有しておくことが重要です。
また、社宅として借り上げる賃貸物件の選定や引越し会社の手配などを社宅担当者が行う場合は、業務の負担につながりやすくなります。社宅担当者の業務効率化を図るには、アウトソーシングを活用することも一つの方法です。
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