単身赴任者に社員寮は必要? 満足度の高い制度運用のポイントとは
単身赴任で転居することになった際、従業員は物件探しや引越し手続きなどを行う必要があり、労力や金銭的な負担がかかります。このような従業員の負担を軽減するために行えるサポートの一つに、社員寮や社有社宅の貸与が挙げられます。社宅には社有社宅と借上社宅の2種類があり、その内社有社宅は社員寮として利用されることも多くあります。
人事総務部門のご担当者さまのなかには、「単身赴任者に社員寮を貸与するとどのようなメリットがあるのか」「従業員に満足してもらうためにはどのような社宅制度にすればよいか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、単身赴任者に社員寮を貸与するメリット・デメリットや制度運用のポイントについて解説します。
なお、社員寮と社宅の違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
また、社有社宅についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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単身赴任者の生活を支援する社員寮
企業には、単身赴任者が新たな地域で安心して生活を送れるように、負担を軽減するサポートを行うことが求められます。
社員寮は、企業が所有するアパートやマンションの一室を従業員へ貸し出す福利厚生制度で、社有社宅の一種に当たります。単身赴任者に社員寮を貸与して、住居に関するサポートを行う目的には以下が挙げられます。
▼単身赴任者に社員寮を貸与する目的
- 物件探しや契約手続きの負担を軽減する
- 生活の拠点が2箇所になることによる住居費の負担を抑える
- 一人暮らしによる不安や孤立感によるストレスを防ぐ など
社員寮があると単身赴任者が転居する際の労力を削減できるほか、入居者同士の関わりが生まれることで安心感を得られます。また、新生活に早く慣れるためのサポートになり、ストレスを軽減できることなどが期待できます。
なお、単身赴任の際に企業が行えるフォローについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
単身赴任者へ社員寮を貸与するメリット
単身赴任者に対して社員寮を貸与すると、従業員と企業のそれぞれに以下のメリットが期待できます。
▼社員寮のメリット
従業員側 |
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企業側 |
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単身赴任者に社員寮を貸与すると、経済面でのサポートにつながるだけでなく、入居者同士で顔を合わせる機会が増えてコミュニケーションの活性化を図れます。
また、急な転勤で引越しが必要になった際にもスムーズに住居を確保できるため、引越しの対応に専念できるようになることもメリットです。
社員寮で食事提供サービスを用意したり、ウォーキングマシンやエアロバイクといった運動設備を設置したりすれば、単身赴任者が健康的に生活しやすくなります。
なお、食事提供サービスを導入するメリットはこちらの記事をご確認ください。
単身赴任者へ社員寮を貸与するデメリット
社員寮を貸与する際には、以下のデメリットも理解しておくことが必要です。
▼社員寮のデメリット
従業員側 |
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企業側 |
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社員寮では従業員自身で物件を選べないため、築年数が古い建物の場合には間取りや設備などに不満が生じる可能性があります。従業員が住みたいと思える社員寮でない場合には、入居希望者が集まらなくなることも考えられます。
また、同じ建物内に職場の従業員が暮らしていると、プライベートで接する機会が増えるため、従業員によってはストレスを感じることもあります。入居者同士でトラブルが起きた場合には、仕事にも影響を及ぼすことがあります。
企業にとっては、社員寮の維持管理や修繕、入居者のクレーム対応などを自社で行う必要があることから、運用コストと業務負担が増加しやすくなります。
満足度の高い社宅制度を円滑に運用するポイント
社員寮は、転勤に伴う労力や金銭的な負担を軽減して、単身赴任者の生活を安定させるために有効といえます。より満足度の高い社宅制度を円滑に運用するために、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
①入居ルールを明文化して共有する
社宅規程とは別に、生活上のマナーや入居者が遵守する事項などをまとめた入居ルールを定めて共有することがポイントです。
入居ルールを定めておくことで、入居者同士のトラブル防止やプライバシーの確保につながり、快適な生活環境を維持できます。
▼社員寮の運用で定めておく入居ルールの例
- 入居者以外の人物による立ち入りの可否や制限の内容
- 外泊の制限や門限の有無
- 食堂の営業時間と費用負担の割合
- ゴミの出し方や共有スペースの利用方法
- 禁煙・喫煙の場所
- ペット飼育の可否
- 部屋の改装やDIYの禁止
- 寮内での勧誘活動の禁止 など
また、設備の不具合や入居者同士のトラブルなどが起きた際の連絡先を共有しておくと、迅速に対応できるようになります。
②家具・家電の提供を行う
単身赴任者に喜ばれる社員寮にするには、部屋に家具・家電を備えつけておくことも有効といえます。単身赴任では、現住居で使用している家具・家電を持ち込むことは難しく、新たに購入するには費用の負担が発生します。
生活に最低限必要な家具・家電を部屋に備えつけることで、単身赴任者が新たに購入せずに済むほか、赴任期間が終わったあとに処分する労力を削減できます。
▼社員寮に備えるとよい家具・家電の例
- ベッド
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- テレビ
- テーブル・椅子
- 掃除機 など
洗濯機・電子レンジ・掃除機などの家電を共用スペースに設置する場合には、使い方や清掃の当番、消耗品の購入申請方法などを規定しておくこともポイントです。
なお、家具・家電付きの社宅についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
③社宅管理代行サービスを活用する
社員寮の運用管理について人事総務部門の業務負担が大きい場合には、社宅管理代行サービスを活用することも一つの方法です。
▼社宅管理代行サービスで依頼できる業務の例
- 社員寮の入居申請に関する審査
- 入居・退去の管理
- 入居中のトラブル対応
- 共用部の清掃
- 建物の点検・メンテナンス など
社員寮の管理に関わるさまざまな業務を一括で委託できるサービスを選ぶと、円滑に社宅制度を運用できるようになり、単身赴任者の満足度向上を図れます。
なお、社宅管理代行サービスの詳細については、こちらの記事で解説しています。
まとめ
この記事では、単身赴任者向けの社員寮について以下の内容を解説しました。
- 単身赴任者の生活を支援する社員寮
- 単身赴任者へ社員寮を貸与するメリット・デメリット
- 満足度の高い社宅制度を円滑に運用するポイント
社員寮を貸与すると、単身赴任者による物件探しや引越し手続きをなくして、赴任先でのスムーズな生活を支援することが可能です。ただし、入居者同士のプライバシーや人間関係のトラブルが発生する可能性があるほか、建物の維持管理を自社で行う必要があり、人事総務部門の負担につながることがあります。
より満足度の高い社宅制度を円滑に運用するには、入居ルールを明文化して周知するとともに、家具・家電を備えつけたり、社宅管理代行サービスを活用したりすることがポイントです。
『リロケーション・ジャパン』の社宅管理サービスでは、単身赴任者へ向けた社員寮・社有社宅の運用をトータルサポートしています。物件の管理やきめ細かなサポートによって従業員の快適な暮らしを実現して、満足度の向上に貢献します。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。