社宅制度の見直しで得られる効果と4つのポイント

社宅制度の見直しで得られる効果と4つのポイント

社宅管理は、契約や物件の管理など業務が多岐にわたるため、煩雑になりやすいです。また、企業の利益に直結しないため、社宅制度の運用方法や規定の見直しが行われないこともあります。

社宅制度や規定の定期的な見直しは、従業員満足度の向上だけでなく、トラブルを未然に防止することにもつながります。

社宅管理担当者のなかには、「社宅制度の見直しについて調べている」「見直すポイントを知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、社宅制度の見直しで得られる効果と見直すポイントについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.社宅制度を見直すことで得られる効果
  2. 2.社宅制度を見直す4つの項目とポイント
    1. 2.1.①入居期限の上限
    2. 2.2.②入居条件(入居資格)
    3. 2.3.③家賃上限
    4. 2.4.④使用料や費用負担区分
  3. 3.まとめ


社宅制度を見直すことで得られる効果

社宅制度を見直すことで、従業員の満足度やモチベーションの向上が期待できます。

従業員の価値観は時代とともに変化しており、社宅に対するニーズ(立地・部屋の広さ・築年数など)も多様化しています。同様に、市場に流通する物件のトレンドも変化しています。

変化するニーズへ応えられるように、社宅制度を見直すことで、従業員の満足度やモチベーションの向上につなげることができます。

また、充実した社宅制度は、従業員の離職率低下に貢献できるほか、求職者へのアピールポイントにもなります。



社宅制度を見直す4つの項目とポイント

改善の余地がある項目を把握することで、今後の社宅制度の見直しに役立てることができます。


①入居期限の上限

入居期限の設定方法は企業によって異なりますが、主に社宅の入居期間と年齢による制限が用いられます。

入居期限を過ぎても退去しない場合は、個人契約または家賃の全額負担へ切り替えるケースがあります。


入居期間の上限

入居期限を設定する場合は、社宅の入居期間で上限を設けるのが最も一般的で、転勤者・非転勤者向けのどちらで運用されている社宅でも見られます。


年齢の上限

年齢で上限を設ける場合は、一定年齢以上の従業員は社宅制度の恩恵を受けられなくなります。しかし、若手の経済的支援や年齢に応じた自己負担額の調整を理由に、独身寮等でこの方式を採用する企業も珍しくありません。


近年では、従業員のワーク・ライフ・バランスを重視するため、一部の企業では、従来の転勤制度を、より戦略的人事の視点を取り入れた転勤制度へと見直す動きなども見られます。

この場合、代替措置として厚生社宅を貸与する場合は、入居期間が長くなることも予想されるため、入居期限を新たに設定するか、見直すことが必要です。


なお、こちらの記事では、社宅における入居期限の目安をはじめ、そのほかの入居継続制限や退去時に起こりやすいトラブルを未然に防ぐ方法について解説しています。併せてご覧ください。

  社宅における入居期限の目安とは? 退去時のトラブルを未然に防ぐ方法も解説 社宅は一定の入居期限を設けているケースがあります。社宅担当者は、円滑に社宅を運用するにあたって、入居期限の目安や入居継続制限について理解を深めておくことが重要です。今回は、社宅入居期限の目安をはじめ、入居継続制限や退去時のトラブルを未然に防ぐ方法について解説します。 リロの社宅管理│業務削減効果90%以上のアウトソーシングサービス


②入居条件(入居資格)

社宅には通常、入居条件(入居資格)が設けられています。そのため、従業員であれば必ず入居できるというわけではありません。

入居条件の設定を見直す場合、社宅対象者数や社宅運用上の業務範囲にも影響が生じるため、慎重に検討することが重要です。


▼入居条件の例

  • 単身者・転勤者の従業員
  • 入社から〇年未満の従業員
  • 現居住地から配属先までの通勤距離が〇km以上


また、一部の従業員が不利益を被らないように、個別事情を勘案して柔軟に対応する企業も見られます。その際は、従業員が不公平感を持たない内容にすることが大切です。

特に例外を認める規定を設ける場合は、曖昧な線引きによる不公平感や、問い合わせ対応・過去事例確認などの業務負荷が発生する恐れがあるため、注意します。


③家賃上限

地域ごとに家賃上限を設定している場合は、家賃相場が変動する可能性があるため、定期的な見直しが必要です。

一般的に、地方の家賃相場は都市部よりも低い傾向にあります。しかし、地方でも一部の地域だけ家賃相場が高いケースもあるため、無根拠に家賃上限を設定すると、紹介可能な物件が見つからない恐れがあります。

この場合、各地域の相場に応じた社宅を用意することで、従業員の不満やトラブルの回避につながります。社宅家賃相場のデータを参考にしたうえで、家賃上限の見直しを行うことが重要です。

なお、社宅の家賃相場については、こちらの記事で詳しく解説しています。


④使用料や費用負担区分

社宅は、条件付きで一部費用が非課税になりますが、入居者が負担する使用料の金額次第では課税対象になる場合があります。

そのため、経済的負担に直結する費用負担区分も、賃貸借契約や社宅運用上の実態に合わせて見直すことが重要です。

一定額以上の社宅使用料を従業員から徴収する場合は、企業が負担する賃料分の所得額が減るため、住宅手当制度と比較すると、社会保険料などの節減効果があります。

しかし、社宅を無料で貸し出したり、使用料が極端に安かったりすると課税対象になる場合があります。

非課税にするためには、一定の算式で計算した金額を従業員から徴収します。さらに、条件となる物件の固定資産税課税標準額に変動が生じる可能性を考慮して、計算式を見直すことも大切です。

また、実態に合わせて企業と従業員の費用負担区分を見直すことで、企業コスト削減や従業員満足度の向上につながることもあります。その一方で、不利益変更に該当しないように注意する必要があります。

なお、社宅使用料と給与天引きの詳細は、こちらの記事をご確認ください。

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出典:国税庁『No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき



まとめ

この記事では、社宅制度の見直しについて以下の内容を解説しました。


  • 社宅制度を見直すことで得られる効果
  • 見直す4つのポイント


社宅制度を見直すことで、従業員の満足度やモチベーションの向上につながる可能性があります。充実した社宅制度は求職者に対してのアピールポイントにもなるため、企業にとってはメリットとなります。

従業員が社宅に求めることや価値観などは常に変化していくため、時代のニーズに合わせた定期的な社宅制度の見直しが重要です。


また、こちらの記事では、福利厚生の一つである社宅の位置づけをはじめ、基本的な社宅の種類と住宅手当との違いについて解説しています。併せてご覧ください。

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自社判断での見直しが難しい場合は、不動産会社や社宅管理代行業者に相談することも一つの方法です。

リロケーション・ジャパン』の社宅管理サービスは、社宅管理にかかる一切の業務をフルアウトソーシングできます。社宅制度の見直しをトータルサポートして、クライアント企業さまの業務負担の軽減に貢献します。

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