catch-img

海外転勤における住宅手続きの進め方と課題とは?人事・総務が知っておくべき対応策を解説

企業のグローバル化が加速する昨今、海外進出の拡大や海外拠点でのグローバル人材育成を目的とした海外転勤は、多くの企業にとって重要な人事戦略の一つとなっています。

しかし、従業員の海外赴任が決定した際、人事・総務部門が直面するのが、国内で住んでいた住居の退去手続きや持家の管理、将来的な帰任を見据えた住居確保などの住宅手続きです。

この記事では、海外転勤時に発生する住宅関連の手続きを整理し、企業と従業員が直面する課題や、それらを解決するための対応策、アウトソーシングを活用したサポート体制の構築について詳しく解説します。

なお、海外赴任準備を円滑に進めるためのチェックリストについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

→【おすすめ】記事とあわせて読みたい!「マイホームを持つ社員への転勤者サポート施策」

目次[非表示]

  1. 1.海外転勤が決まった際に行うべき住宅手続き
    1. 1.1.借上社宅・社員寮・独身寮(社有社宅)の退去手続き
    2. 1.2.ライフラインの停止と各種事務手続き
  2. 2.赴任期間中の持家管理と企業の支援課題
    1. 2.1.「賃貸」か「空き家維持」かの判断基準
    2. 2.2.空き家維持に伴う建物劣化と防犯対策
    3. 2.3.企業が整えるべきサポート体制
  3. 3.帰任者への住宅支援を効率化する施策
    1. 3.1.オンライン内見・電子契約の活用
    2. 3.2.家具・家電付き物件の導入検討
  4. 4.リロケーション・ジャパンを通じた海外転勤サポート
    1. 4.1.留守宅管理(リロの留守宅管理)
    2. 4.2.帰任後の住居支援(リロの個人版転貸)
  5. 5.まとめ

海外転勤が決まった際に行うべき住宅手続き

従業員に海外転勤の辞令が出た場合、国内での住居の種類によって必要な手続きは異なります。住居の種別は大きく分けて、借上社宅・社員寮・独身寮(社有社宅)・持家の3つに分けられます。

しかし、いずれの場合も公的な手続きやライフラインの停止、郵便物の処理、粗大ゴミの処分など、従業員が行わなければならない作業は多岐にわたります。また、赴任に向けた業務の引き継ぎやビザの取得手続きなどと並行して進めることは、従業員にとって多大な負担となります。

企業側は、どのような手続きがいつまでに必要になるのかをあらかじめ把握し、スケジュール管理とアナウンスを行うことが求められます。

借上社宅・社員寮・独身寮(社有社宅)の退去手続き

従業員が、借上社宅や社員寮・独身寮(社有社宅)に入居していた場合、賃貸借契約の解約予告期間を確認する必要があります。一般的に、解約予告は退去希望日の1〜3ヶ月前までに、管理会社や物件オーナーへ書面等で通知する必要があります。

海外赴任はプロジェクトの都合などで急遽決まるケースも多く、通知が遅れると赴任後の無駄な空家賃が発生する可能性があるため、迅速な対応が必要です。

また、退去時にトラブルになりやすいのが原状回復費用の負担区分です。従業員の故意・過失による汚れや傷の修繕費用を企業が負担するのか、従業員個人に請求するのか、社宅規程などにあらかじめ明確に定めておくことが重要です。

さらに、残置物の取り扱いにも注意が必要です。従業員が個別に設置したエアコンや照明器具などの設備は、退去時にすべて撤去して入居時の状態に戻すのが原則です。家具・家電や不用品などの処分が遅れると、退去の立ち会いスケジュールが遅れ、遅延損害金や違約金が発生するリスクもあります。

ライフラインの停止と各種事務手続き

退去するにあたって、電気・ガス・水道といったライフラインの停止手続きを行わなければなりません。特にガスは、閉栓時に立ち会いが必要なケースもあるため、引越しや出国の日程に合わせて余裕を持った手配が必要です。

加えて、インターネット回線や固定電話などの解約手続きも忘れないよう、会社からチェックリストなどを提供して指導すると親切です。

また、引越しの繁忙期と重なると業者の予約が取りにくくなることがあります。海外への引越しは通関手続きなどで時間がかかるため、辞令が出たら速やかに業者を手配するよう企業側からの強力な後押しが必要です。

赴任期間中の持家管理と企業の支援課題

従業員が家を所有しているケースもあります。持家を購入した後に海外転勤の辞令が出ることも少なくありません。

家族全員で海外へ赴任する場合、残された住宅をどうするのかは、従業員にとって心理的、経済的な負担となり得ます。企業は、持家所有者をしっかりとサポートする視点を持つことが重要です。

「賃貸」か「空き家維持」かの判断基準

住宅の取り扱いについては、大きく分けて「第三者に賃貸して家賃収入を得る」か「貸し出さずに空き家のまま維持・管理する」かの二つの選択肢があります。これを判断する基準となるのは、主に「予定される赴任期間」と「家族の意向」です。

例えば、赴任期間が長期にわたる場合や、家賃収入を得たい場合は、賃貸に出すことが選ばれやすくなります。ただし、普通借家契約で貸し出してしまうと、借地借家法によって借主の権利が強く保護されるため、従業員が帰任した際に「借主が退去してくれない」というトラブルに発展するリスクがあります。

転勤期間中の賃貸では、居住が一時的であることが明らかな場合には、借地借家法の適用を受けない一時使用賃貸借や、契約期間をあらかじめ定めることができる一時使用賃貸借・定期借家契約を視野に入れて検討するとよいでしょう。

一方、赴任期間が1年未満と短い場合や、「他人に自分の家を使われたくない」「帰国時にリフォームの手間をかけたくない」などの思いがある場合は、賃貸には出さずに空き家のまま維持することも選択肢の一つです。

空き家維持に伴う建物劣化と防犯対策

多くの家屋は、人が居住し、定期的に窓を開けて換気を行い、水道を使用することで建物の状態が維持されるように設計されています。そのため、空き家のまま長期間放置すると室内に湿気がこもりやすくなり、壁紙や畳、押し入れなどにカビが発生するほか、木部の腐食や設備の劣化が進行するおそれがあります。

さらに外観上の問題として、郵便受けにチラシが溢れ、庭の雑草や植木が生い茂った状態が続くと、周囲から誰も住んでいない空き家であることが容易に認識されてしまいます。このような状態は、不法投棄に悪用されやすくなるだけでなく、空き巣や放火などの不法侵入を誘発する要因となります。

加えて、害虫や害獣の発生、景観の悪化による近隣住民からの苦情や地域全体の防犯意識の低下を招く可能性もあり、建物の管理面のみならず、防犯面や周辺環境への影響を含めた複合的なリスクとなり得ます。

なお、社宅の防犯対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

企業が整えるべきサポート体制

海外赴任により生じる課題に対して、企業はあらかじめサポート体制を構築しておく必要があります。

具体的には、一時使用賃貸借・定期借家契約による賃貸管理に強い不動産会社や、信頼できる管理サービスを提供する提携先を事前に確保することです。赴任が決まった従業員に速やかに情報提供できる窓口を用意しておくことが理想です。

また、引越しや住宅管理にかかる料金の一部を会社で補助するなど、社内規程を整備することで、従業員の経済的な不安を軽減できます。

さらに、赴任出発前だけでなく、帰任が近づいたタイミングで、住宅の状況報告や賃貸に出している場合の入居者への明け渡しスケジュール調整などを行う仕組みを整備することも、会社に対する信頼につながります。

帰任者への住宅支援を効率化する施策

海外赴任は出発する時だけでなく、日本へ帰国する際にも多くの労力と負担が伴います。特に帰任時の住居確保は、帰国日が決定してからの限られたスケジュールで、物件の選定、賃貸借契約、引越しの手配などを完了させなければならず、企業の人事・総務側の調整業務も急増します。

企業は、デジタルツールの導入や専門業者へのアウトソーシングを積極的に活用することで、これらの煩雑な手続きを簡素化・迅速化することが可能になります。

なお、海外赴任者の帰国時に必要な住宅関連の手続きについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

オンライン内見・電子契約の活用

多くの場合、従業員は帰国日が近づいたタイミングで一時帰国し、不動産屋を回って新居を決める手間が発生します。

しかし、スマートフォンやPCを活用した「オンライン内見」を利用すれば、従業員は海外の赴任先から日本の不動産仲介担当者とビデオ通話をつなぎ、部屋の広さや日当たり、収納スペース、駅からの道のりや周辺環境などを確認しながら物件選定を進められます。

さらに、不動産契約においても「電子契約システム」を導入しているサービスを利用すれば、契約書類の国際郵送のやり取りなどの手間を削減できます。これにより、帰国当日からスムーズに新居で生活をスタートさせることが実現します。

■関連記事

【オンライン内見】 社宅導入をスムーズに進める4つの注意点
内見をしないで賃貸借契約を締結できる? 借上社宅の内見ができない際の対処方法
社宅にする賃貸物件を内見・内覧するときに知っておきたい4つのチェックポイント

家具・家電付き物件の導入検討

帰国直後、大きな壁となるのが家具・家電などの生活必需品の調達です。この課題を解決する施策として、単身赴任者や若手社員向けに、家具・家電付き物件を社宅として導入する方法があります。

家具・家電付き物件であれば、ベッド、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ、カーテンなどがあらかじめ備え付けられているため、新しく買い揃える時間と費用を省けます。

また企業側も、赴任先からの引越し費用を削減できるほか、国内での新規購入費用の補助といったコスト面でのメリットも大きくなります。

なお、家具家電付き社宅のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「家具家電付き社宅の導入メリットとデメリット」

リロケーション・ジャパンを通じた海外転勤サポート

海外転勤に伴う住宅課題への対応を、企業の人事・総務部門が行うのは、膨大な業務負荷となる可能性があります。

そこで有効なのが、社宅管理や留守宅管理の専門的な知見と全国ネットワークを持つ外部のアウトソーシングサービスを効果的に活用することです。

株式会社リロケーション・ジャパンでは、赴任時の留守宅管理(空き家対策・賃貸運用)から、帰任時の新たな住居確保に至るまでを、企業の制度に寄り添いながら一貫してサポートする包括的なサービスを提供しています。

留守宅管理(リロの留守宅管理)

リロケーション・ジャパンが提供する『リロの留守宅管理』は、1984年の創業以来、多くの企業や赴任者に利用されてきました。海外赴任中に自宅を賃貸に出す場合、「帰国後に借主が退去せず自宅に戻れない」といったトラブルが懸念されますが、同サービスではこうしたリスクを抑えるための仕組みです。

従業員が持家を賃貸に出す場合、赴任期間や帰任時期の不確実性に配慮し「一時使用賃貸借・定期借家契約」や、帰任時の解約が可能な「一時使用賃貸借契約」などの契約形態を活用しながら、状況に応じたプランを提案します。さらに、入居者募集、賃料回収、滞納時の対応、設備トラブルへの対応、退去時の精算など、煩雑になりがちな賃貸管理業務を代行するため、従業員は安心して自宅を預けることができます。

また、貸し出さずに空き家として維持する場合でも、定期的な巡回や通風・通水などを行うサービスを提供しており、建物の劣化や防犯上のリスクから従業員の資産を守ります。

帰任後の住居支援(リロの個人版転貸)

帰任時の国内での住居確保においても、『リロの個人版転貸』は有効な住宅サポートサービスの一つです。

従業員が希望条件に沿った一般の賃貸物件を、リロケーション・ジャパンが家主から借り上げ、それを自社の従業員に対して転貸する仕組みです。従業員が個人で賃貸契約を結ぶ場合と比べ、契約手続きや各種対応の負担を軽減できる点が特徴です。

また、物件探しのサポートから電子契約による契約手続き、入居後のトラブル対応、退去までの手続きをトータルでサポートする体制が整えられており、海外に滞在している場合でも住居手配をスムーズに進めることができます。

リロの個人版転貸は、帰任者の住居確保をはじめ、住宅手当制度の利用者や社宅制度の対象外となる従業員の住宅支援など、さまざまな場面で活用できる住宅サポートサービスとして利用されています。

なお、リログループでは、海外赴任時・帰任時における住宅関連のサポートにご活用いただけるさまざまなサービスを提供しております。リロの海外赴任サポートは、辞令から帰任までの間に発生するあらゆる業務を代行するサービスです。

まとめ

この記事では、海外転勤における住宅手続きについて以下の内容を解説しました。

  • 海外転勤が決まった際に行うべき住宅手続き

  • 赴任期間中の持家管理と企業の支援課題

  • 帰任者への住宅支援を効率化する施策

  • リロケーション・ジャパンを通じた海外転勤サポート

海外転勤における住宅関連の手続きは、複雑な手続きや準備を伴い、従業員に多大なストレスと負荷をかけることがあります。企業が課題に適切に対応できなければ、海外赴任へのモチベーション低下や離職につながる可能性もあります。

こうした専門性が高くトラブルも起こりやすい業務は、自社だけで対応するのではなく、『リロケーション・ジャパン』のような専門サービスを活用することも有効です。

従業員とその家族が安心して海外赴任に臨める環境を整えるためにも、自社の住宅支援制度や社宅規程を改めて見直してみてはいかがでしょうか。

→【おすすめ】記事とあわせて読みたい!「マイホームを持つ社員への転勤者サポート施策」

詳しくは、こちらからお問い合わせください。

Banner_contact

リロの社宅管理_WEBサイト運営事務局
リロの社宅管理_WEBサイト運営事務局
リロの社宅管理_WEBサイト運営事務局です。                          記事作成は、「リロの社宅管理」サービスを提供する株式会社リロケーション・ジャパンが運営しています。「リロの社宅管理」では、1,300社以上の企業様に利用していただいており、全国で戸数27万戸超の社宅管理をしています。社宅管理戸数も伸び率12年連続No.1!今いちばん企業様に選ばれている社宅管理サービスです。社宅管理業務に関わる皆様にとって少しでも有益になる情報を発信していきます。

人気記事ランキング

タグ一覧

pagetop