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借上社宅管理に必要な4つの手続きと社内申請フローとは?

転勤の多い企業や遠方に住む人材にアプローチしたい企業では、福利厚生の一環として借上社宅制度を導入するケースがあります。

借上社宅制度は、従業員の家賃負担を抑えられる、物件探しの労力を削減できるなどのメリットがあるため、満足度の向上や離職の防止にも貢献することが期待できます。

しかし、借上社宅の運用にはさまざまな手続きが発生するため、「どのタイミングで何の手続きが必要か知りたい」「社内リソースのみで運用できるのか分からない」と疑問を持つ担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、借上社宅の運用で発生する手続きと、社宅を契約するまでの社内の申請フローについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.借上社宅管理に必要な4つの手続き
    1. 1.1.①入居時に発生する手続き
      1. 1.1.1.社内の入居申請
      2. 1.1.2.対象物件の申し込み
      3. 1.1.3.賃貸借契約の締結
      4. 1.1.4.引越し手続き
    2. 1.2.②毎月発生する手続き
      1. 1.2.1.家賃の支払い
      2. 1.2.2.給与所得控除
    3. 1.3.③年単位で発生する手続き
      1. 1.3.1.支払調書の作成・提出
      2. 1.3.2.賃貸借契約の更新
      3. 1.3.3.火災保険契約の更新
    4. 1.4.④退去時に発生する手続き
      1. 1.4.1.解約の申請受付
      2. 1.4.2.解約通知
      3. 1.4.3.敷金の精算
  2. 2.借上社宅の入居までの社内申請フロー
  3. 3.まとめ


借上社宅管理に必要な4つの手続き

借上社宅の運用には、賃貸借契約から解約までのタイミングでさまざまな手続きが発生します。

ここでは、社宅管理担当者が行う一般的な手続きを4つ解説します。


①入居時に発生する手続き

従業員が社宅に入居する際には、社内での申請・承認や賃貸借契約に関する手続きが必要です。


社内の入居申請

従業員から社宅利用の申請が行われたら、社宅規程と物件条件が合致しているかどうか、入居希望の物件(エリア・間取り)や入居者(単身・家族)などについて確認します。


対象物件の申し込み

社内で入居申請を承認したあと、社宅規程と従業員の要望に合う賃貸物件を選定して、不動産会社へ入居申し込みを行います。


賃貸借契約の締結

不動産会社での入居審査が通過したら、貸主と賃貸借契約を締結します。賃貸借契約は、不動産会社に仲介を依頼することが一般的です。不動産会社が作成した賃貸借契約と重要事項説明書を確認したうえで、調印を行います。

なお、こちらの記事では、社宅契約時の賃貸借契約書で気をつけるポイントを解説しています。併せてご覧ください。

  社宅契約時の賃貸借契約書で気をつける4つのポイント 賃貸借契約書は、物件の貸し借りを締結させるために取り交わす契約書で、物件の基本情報・付属品・契約期間・賃金・更新料・解約通知の期日などの内容が記載されています。 貸主と借主が直接やり取りするのではなく、不動産会社を仲介して契約するのが一般的です。 法人契約で社宅を借りる際も賃貸借契約書を取り交わすため、「どのような点に気をつけたらよいか分からない」という担当者の方もいるのではないでしょうか。 この記事では、社宅契約時の賃貸借契約書で気をつけるポイントを解説します。 リロの社宅管理│業務削減効果90%以上のアウトソーシングサービス


また、賃貸借契約時には、火災保険の加入手続きをはじめ、不動産会社への仲介手数料の支払い、オーナーへの敷金・礼金の支払いが必要になるケースもあります。

そして、こちらの記事では、社宅における火災保険の負担区分と、会社が負担する際の注意点を解説しています。

  社宅の火災保険は誰が負担する? 会社負担にする場合の注意点も解説 社宅を契約する際も火災保険に加入することで、入居している従業員が火災被害を受けた場合に補償を受けられます。 しかし、社宅管理の担当者のなかには、「火災保険料は誰が負担するのか」「会社が負担する場合は何に気をつけたらよいか」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。 この記事では、社宅における火災保険の負担区分と、会社が負担する際の注意点を解説します リロの社宅管理│業務削減効果90%以上のアウトソーシングサービス


こちらの記事では、敷金・礼金の概要や社宅における負担区分、ほかの費用に関する負担区分について解説しています。併せてご覧ください。

  社宅の敷金・礼金は誰が負担する? 仕組みとよくある負担区分の問題 賃貸物件を借りる際は、初期費用として敷金・礼金が発生するケースがあります。社宅制度を導入する場合も、会社と従業員のどちらが敷金・礼金を負担するか明確に決めておく必要があります。 しかし、「一般的にどちらが敷金・礼金を負担するか知りたい」「ほかの費用についてもどちらが負担するか知りたい」と悩んでいる社宅管理担当者もいるのではないでしょうか。 この記事では、敷金・礼金の概要や社宅における負担区分、ほかの費用に関する負担区分について解説します。 リロの社宅管理│業務削減効果90%以上のアウトソーシングサービス


引越し手続き

賃貸借契約の締結後、引越し事業者を選定して費用の見積もり依頼を行い、引越し日を確定します。社内では、社宅への入居日・入居形態・社宅規程に基づいた家賃の負担額などについて、従業員別に管理することが必要です。


②毎月発生する手続き

従業員が社宅に入居したあとも、社宅担当者が毎月対応する手続きがあります。


家賃の支払い

家賃の支払い額を確認したうえで振り込み用データを作成して、不動産会社または家主へ支払います。社宅管理担当者が経理担当に依頼して出金処理を行うこともあります。しかし、物件によって支払い先が異なり、件数も多ければ担当者の業務負担につながる可能性があります。


給与所得控除

借上社宅の家賃の一部を従業員の給与から控除します。社宅規程を基に従業員が負担する家賃の金額を算出して、給与所得控除の処理を行うことが一般的です。

こちらの記事では、住宅手当支給(現金支給)と給与天引きによる社宅貸与(現物支給)の違い、給与天引きのメリットと実施時の注意点を解説しています。併せてご覧ください。

  社宅使用料を給与天引きにするメリットと注意点 従業員の住居費を支援する制度は、大きく“住宅手当・家賃補助の支給(現金給与)”と“給与天引きによる社宅貸与(現物給与)”の2種類に分けられます。 どちらも福利厚生制度に関する取組みですが、それぞれの違いについて明確に把握している担当者の方は少ないのではないでしょうか。 社宅制度を導入する際は、企業側と従業員側の双方にメリットがある取組みを選択することが望ましいです。 この記事では、住宅手当支給(現金支給)と給与天引きによる社宅貸与(現物支給)の違い、給与天引きのメリットと実施時の注意点を解説します。 リロの社宅管理│業務削減効果90%以上のアウトソーシングサービス


③年単位で発生する手続き

従業員が社宅に入居している間、年単位で必要になる手続きがあります。


支払調書の作成・提出

支払調書は税務署への提出が義務づけられています。その年の1〜12月までの家賃の支払い実績を基に支払調書を作成して、管轄の税務署に翌年の1月31日までに提出します。

また、貸主が個人の場合には、マイナンバーを支払調書に付記して提出する必要があります。

出典:国税庁『[手続名]報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(同合計表)』『不動産の売主・貸主のみなさまへ


賃貸借契約の更新

賃貸借契約で定められた契約期間に基づいて更新手続きを行います。更新する場合は、更新契約を締結して更新料を支払う必要があります。

また、社宅規程に基づく更新条件の審査・確認は、煩雑かつ専門的な業務のため社宅管理担当者の負担になりやすいです。業務の負担削減として、社宅管理サービスや不動産会社などを利用することが一般的です。

なお、こちらの記事では、社宅で利用する賃貸物件にかかる更新費用の相場や支払い義務の有無、注意点について解説しています。併せてご覧ください。

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火災保険契約の更新

賃貸借契約を更新する場合は、火災保険契約の更新手続きも必要です。口座振替や払込用紙などで、火災保険の更新料の支払いを行います。

火災保険料を負担するのは、企業・従業員のどちらでも問題ありませんが、個人契約の場合は更新忘れが発生するリスクもあります。個人契約でも、企業側で契約内容を把握しておくことが大切です。

なお、こちらの記事では、賃貸借契約の包括保険の内容をはじめ、加入するメリットと保険料の負担区分について解説しています。併せてご覧ください。

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④退去時に発生する手続き

従業員が社宅を退去する場合は、社内での申請・処理のほか、賃貸借契約の解約通知、原状回復に関する手続きが必要です。


解約の申請受付

退去を希望する従業員(入居者)から退去申請を受け付けて、退去予定日を確認します。


解約通知

賃貸借契約で定められた解約通知期間に沿って、不動産会社・管理会社に解約通知を行います。その際、解約日・退去立会日を確定するとともに、賃料を日割りで支払う必要があるか、違約金が発生するかなどの確認が必要です。


敷金の精算

契約時に敷金を支払った場合は、退去時に発生した原状回復費用を差し引いた敷金の返却分を不動産会社や家主に請求します。敷金の精算については、退去立会いのもとで、不動産会社に原状回復費用を算出してもらいます。

なお、原状回復費用の負担区分は従業員とトラブルにつながりやすいため、事前に対策しておくことが重要です。詳しくは、こちらの記事をご確認ください。

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借上社宅の入居までの社内申請フロー

借上社宅を運用する際は、不動産会社や家主との手続きだけでなく、従業員とのやり取りも発生します。入居までの一般的な申請フローは、以下のとおりです。


▼社内申請フロー

  1. 従業員による社宅の入居申請
  2. 社宅規程と申請内容に基づく入居可否の判断
  3. 社宅管理担当者による入居承認
  4. 従業員への賃貸借契約締結完了の通知


従業員とのトラブルを防ぎつつ、効率的に申請手続きを進めるために、社宅の入居条件や審査基準を事前に社宅規程で定めます。

申請フロー・入居までの流れを従業員に共有しておくと、スケジュールに余裕を持って物件探しや引越しができるようになり、スムーズな運用につながります。

また、借上社宅管理の手続きは多岐にわたるため、自社でのリソースが不足している場合には、アウトソーシング(業務代行)を活用することも有効です。

「社宅業務手続きの流れについてもっと学びたい」という方は、こちらの資料をご覧ください。借上社宅管理の業務効率化を図るワークフローシステムに関する資料をダウンロードいただけます。

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まとめ

この記事では、借上社宅管理の手続きについて以下の内容を解説しました。


  • 借上社宅管理に必要な4つの手続き
  • 入居までの社内申請フロー


企業が借上社宅を運用する際は、入居申請の受付や賃貸借契約の締結、引越しなどの入居手続きに加えて、家賃の支払い、契約更新、解約通知などさまざまな手続きが発生します。

社宅管理による担当者の業務負担が大きく、リソースが不足している場合には、これらの手続きを外部に委託することも一つの方法です。

リロケーション・ジャパン』の社宅管理サービスでは、転貸方式を採用しており、借上社宅管理の手続きをフルアウトソーシングすることが可能です。

詳しくは、こちらからお問い合わせください。

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